ピュア電気自動車は理想のドッグフレンドリーカー
公共交通機関に乗車するのが難しい犬にとっての最適な移動手段はクルマ。しかも、家族の一員であり、家族とのドライブ旅行がなによりも大好きな犬は、聴覚に優れ、車内でどこかにつかまることができない生き物です。そんな愛犬とのドライブ旅行に相応しいクルマと言えば、真っ先に思い浮かぶのが、専門用語でBEVと呼ばれるピュア電気自動車ではないでしょうか。
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100%モーターで駆動するため、加速も減速もウルトラスムーズ。重量物のバッテリーを床下に積むため、低重心で加減速時、カーブを曲がる際の車体の傾きは最小限。そしてエンジンを積まないため、走行中の車内は素晴らしく静か。つまり、ピュア電気自動車は聴覚に優れ、騒音が苦手で、車内でどこかにつかまれない犬にとって、最適な移動空間のひとつと言えるのです。
国産車のピュア電気自動車と言えば、2010年に世界に先駆けて発売され、日本のBEVを牽引してきた量産ピュア電気自動車、日産リーフが思い浮かぶはず。そして2022-2023日本カー・オブ・ザ・イヤーを受賞した日産サクラとともに日産最新の新世代ピュア電気自動車として登場しているのが、「日産アリア」。
ピュア電気自動車の「日産アリア」で愛犬とともに初冬の伊豆、修善寺へ
今回は、その「アリア」に乗って、わが家の愛犬、自称自動車評論犬!?のジャックラッセルのララとともに、初冬の伊豆、修善寺を訪れることにしました。目的地はこの小学館@DIMEの“わんこと行くクルマ旅”初の外資系ホテル、ドッグフレンドリールームのある伊豆マリオットホテル修善寺です。
わが家にやってきたプリズムホワイト×ブラック2トーンに塗られた「アリア」は、「間(ま)」「整(せい)」、「粋(いき)「傾く」(かぶく)、「移ろい」といった日本古来の伝統美をテーマにした内外装のデザインに先進性と上質を感じさせる超スタイリッシュなピュア電気自動車。
しかも、B6、B9という2種類のグレードがある中の、91kWhの大容量バッテリーを積み、218ps/30.6kgmのモーターを前後に2基搭載する4WDとなるB9 e-4ORCE limitedいう上級グレードでした(システム出力394ps!!)。
「日産アリアB9」の一充電航続距離は560kmから640km!!
ピュア電気自動車で気になる一充電航続距離はB9の場合、FWD(前輪駆動)で640km、この4WD(四輪駆動)で560kmというロングレンジを誇ります(WLTCモード)。東京都心~修善寺の距離は約160km、往復約320kmですから、多少の寄り道(観光やランチ)をしても、満充電で出発すれば、無充電で往復可能。愛犬とのドライブ旅行では、高速道路のSA/PAなどでの約30分の急速充電時、愛犬との過ごし方に気を使うところですが(犬は施設内に入れないため、雨や悪天候時はやっかい)、それだけの航続距離があれば、充電にまつわる心配は無用というわけです。※わが家がよく出かける軽井沢も無充電で往復可能(往復約340km。走り方、出発時の充電状況による)。
「アリア」のシールドと呼ばれる組子細工を思わせるグリル、光るVモーション、薄型ヘッドランプが特徴的で、リヤビューもトレンドの横一文字のリヤコンビランプを採用しつつ、NISSANの文字が光る、こだわりある仕上がりとなっているエクステリアデザインにうっとりしつつ、車内に乗り込めば、スリーク、粋、上質、シームレスを謳う最先端のピュア電気自動車の好印象はさらに高まります。
インテリアのデザインコンセプトは解放感ある心地よさ、温かみ、手の込んだシンプルさ。運転席に乗り込めば、12.3インチのフルデジタルメーターと連続するこれまた12.3インチのセンターモニターの存在感、先進感に圧倒され、センターモニターはナビやオーディオ、天気情報など様々な情報を表示してくれるのですが、タブレットのように横にスワイプ(2本指で)することで、例えばナビ画面を瞬時にメーター側に移動することも可能。
インテリアは上質を極めた和モダンな世界
そしてその下、木目調パネルにパワーONで浮かび上がるのが、ハプティクスイッチと呼ばれるオートエアコンの静電式タッチスイッチ。軽く触ればフィードバックがあり、美しさとともにシームレスなデザインを強調。インテリアの随所に施された組子細工風の加飾ととともに、「和モダン」な美意識を目いっぱい感じさせてくれる先進性と上質さを併せ持つ、自動車のインテリアとして最上級と言っていい、まさにラウンジを思わせる極上空間でした。
室内空間もゆったり。ボンネット内にエンジンがないのは当然として、エアコンなどのかさばるユニットを小型化した上でボンネット側に移動できたため、センターコンソールが左右を分断しない前席の足元はフラットかつ広々。サイドスルーも可能で、例えば道路脇に止めた際、交通量が多いなら、助手席に移動して、左側(歩道側)から下りることもできるから便利で安全。
また、前後15cmのパワー移動が可能なセンターコンソールも斬新かつ使いやすく、ドライバーの体形を問わず、最適なドライビングポジション、シフターの位置にセットすることができるのです。
後席は大型犬もゆったりできる広々空間
後席も広々。シートサイズもたっぷりしていて、小中型犬用のドッグベッド、ペットカートのコットなどを置くのにも適し、それこそ大型犬の乗車もOK。
もちろん、ラゲッジルームも広大。実測で奥行970mm、幅1100~1390mm、最低天井高670mm。シンプルなドッグカートの全長は約1000mmで、効率的な横置きが可能かつ、車体とコットが外せる大型ドッグカートの積載も余裕の余裕。今回は、滞在先の館内移動に必要なフィカゴー フリッタプラスという、キャビンを脱着でき、1秒で自動&コンパクトに収納できるペットカートを携えましたが、車体のみ、車体とコットと機内持ち込みサイズのキャリーケース、ララの犬荷物などをしっかりと積みこむことができました(実際には、コットは後席に固定)。
後席を格納すれば、ラゲッジルームの最大奥行は実測約1850mmに達し、車中泊、大型犬2頭の乗車も可能になるほどです。
コネクティッド機能でアマゾンのAlexaとも連携
ドライバーと世界が常時つながる車内外から操作可能な機能も満載です。「ハローニッサン」で起動するボイスアシスタントによる目的地設定などは当然として、アマゾンのAlexaとも連携。インターネットショッピングを始め、車内のエアコンの温度を上げる、下げる、家の照明をアリアから操作して点灯させたり、お風呂を沸かしたり、「イーグルスのホテルカリフォルニアを聞かせて」と発声し、その音楽を再生することなど、朝飯前というわけ。
最先端の先進運転支援機能プロパイロット2.0も用意
そして何と言っても、「アリア」には日産の先進運転支援機能=プロパイロットの進化版、プロパイロット2.0が用意されていること(B9 e-4ORCE limitedに標準装備。ルーフのふたつのツノ/アンテナがその証)。360度センシングを備えたプロパイロット2.0は3D高精度マップ、GPSに加え、天頂衛星みちびきが使えるところが新しい。天頂衛星を使うメリットはセンチメートルの精度があることで、例えば2車線道路のどちらの車線を走っているかまで認識できるようになり、高速道路での全車速域同一車線ハンズオフドライブ、自動レーンチェンジ、ルート案内での車線案内などに威力を発揮してくれるのです!!(ハンズオフドライブの作動可能速度域は制限速度+10km/h)。
ちなみにナビゲーションの地図と車両ソフトは車載の通信機を利用して自動更新されるため、常に最新の状態で利用できる大きなメリットもあったりします。
ペットカートのキャビンを後席に設置して修善寺に出発
さて、いよいよ「日産アリアB9 e-4ORCE limited」で修善寺に出発です。前席に夫婦、後席にフィカゴーフリッタプラスのキャビンを固定し、ララが乗車(本革シートでも、フィカゴーフリッタプラスのオプションのカーシートプロテクションを敷いてあるので、キズ付きなどの心配なし。車体はラゲッジルームに積載)。