職場にはさまざまなタイプの人がいます。その中には、仕事ができないと嫌な目立ち方をしている人も……。
仕事ができないと言われる原因の1つとして、想像力の欠如が挙げられます。
想像力がないことと、仕事ができないことはなぜイコールなのか。今回は、想像力が仕事で大切な理由や、想像力がない人の特徴、想像力のない人と一緒に働く場合の対処法をご紹介します。
想像力とは
まず、想像力について考えていきましょう。想像力とは、小学館のデジタル大辞泉によると「想像する能力や、心の働き」とあります。では、想像とは何なのかというと、デジタル大辞泉には「実際には経験していない事柄などを推し量ること。また、現実には存在しない事柄を心の中に思い描くこと」と記載されています。
つまり、想像力とは、実際には経験していないこと、存在しないことを頭の中でイメージする力のことを指します。
仕事でなぜ想像力が必要かというと、仕事では相手(顧客)の気持ちを前もって想像する力がとても大切だからです。接客では相手が何を望んでいるかを想像し、新商品の企画などでは売れる商品を考えるときには相手が喜ぶものを想像しますよね。
これは対顧客だけに言えることではありません。同僚や上司、部下に対して相手が読みやすい、わかりやすい資料を用意することだって、相手の立場を想像して行う必要があるのです。
想像力がない人の特徴
次に想像力のない人の特徴を見ていきます。下記のような特徴がある人は仕事ができないだけでなく、トラブルメーカーの可能性もあるので注意が必要です。
1.自分の意見や気持ちが最優先
想像力がない人は、自分の意見ばかり押し通そうとします。なぜこのような行動をとってしまうかというと、相手の立場が想像できていないからです。
仕事だけではなく、このタイプは「私は〇〇と思う」、「これが正しい」と自分の主観で物事を語るクセもあります。
2.受け手の気持ちを考えない
仕事では相手の立場になって物事を想像することが大切とお伝えしましたが、それと同じぐらい自分の発言や行動が相手にどう受け取られているかと想像することも大切となります。
これを想像できない人は、人間関係が上手にできずに相手と衝突することが多くなります。空気が読めないと言われるのもこのタイプが多いでしょう。
3.感情のコントロールが苦手
相手の気持ちを考えずに、自分の主観を押し通すタイプは感情のコントロールが苦手な人が多いという特徴もあります。
そもそも怒りなどマイナスの感情を抑えようという行動は、相手のことを傷つけたくないと想像するからこそ。このタイプは気づかずにパワハラなどハラスメントを行ってしまっている可能性もあります。
職場の想像力がない人への対処法
最後に、想像力のない人に振り回されてイライラしないための対処法をお伝えします。
1.仕事の重要度を合わせて伝える
想像力のない人は、仕事を主観で進めてしまうので、こちらの意図を汲み取ることが苦手です。なので、そんな相手に仕事を任せるときには、仕事の重要度を合わせて伝えるようにしましょう。
重要度を伝える方法は、クライアントなどがどのような理由でその仕事を必要としているのかを言うことです。相手は想像できていないだけですので、重要度が理解できれば、仕事の進め方を否定してくることはないでしょう。
2.自分の気持ちを伝える
想像力がない人は自分を客観視できないので、自分勝手であること、それによって周囲が振り回されていることに気付いていない可能性があります。
そんなときには、自分の気持ちを素直に伝えてみることが効果的です。「こう進めたほうがいいんじゃないかな」というようにあいまいにではなく、「この場合はこう進めてください」とはっきり伝えたほうが相手は理解しやすいです。
3.自分と同じものを求めない
「私がここまで配慮しているんだから」と人は無意識に相手に自分と同じレベルのものを求めがちです。この考え方は決して悪いことではないのですが、想像力のない人に自分と同じものを期待しても、残念ながら時間の無駄です。
そもそも他人はコントロールできるものではありません。期待は最低限の仕事がクリアできていればいいというぐらいにハードルを下げていれば、イライラすることはありません。
文・構成/藤野綾子