ダイハツのコンパクト1BOXのEVコンセプトモデル「ミーモ」
ダイハツのブースでは新型「コペン」のコンセプトカーが展示されていたが、そちらよりも「ミーモ」の前で足を止めた。コンパクト1BOXのEVコンセプトモデルだ。カーマニアだけでなく、生活を便利にする提案は大切だ。ダイハツは毎回必ずそうした実質的な展示を行うから見逃せない。
一方で、“モーターショーの華”というか、派手な展示もあった。日産のコンセプトカー群がそうだった。最初から展示されている4台とベールが掛けられている1台。4台のうち、1台は大型ミニバンだ。プレスカンファレンスでベールを脱いで現われたのは、2ドアの「ニッサン ハイパーフォース」だった。最高出力1000kWと電子制御4輪制御システム(e-4ORCE)を備え、高性能を発揮するEVのコンセプトカーである。キャビンやテールライトの形状などを「GT-R」に意図的に似せていて、「次のGT-Rのコンセプトカー」と言ってほしいのが伝わってくる。
それにしても、日産が出展した5台は、どれもカクカク、パキパキの直線と平面を強調した、戦隊アニメに出てくるような造形だったのはなぜだろう?
見分けがつくのが「ハイパーフォース」とミニバンだけで、他の3台の見分けがつかなかった。“世界観を表現している”のだろうけれど、絶対にこの形やこれに準じた形で市販車として登場するわけがないのだから、長く見続けようという気にはなれなかった。
反対に「世界観の展示」でありながら、“市販車として登場した時に、どこをどう具現化されるのか?”とあれこれ、楽しく思案させられたのが、BMWのコンセプトカー「ヴィジョン・ノイエ・クラッセ」だ。
もちろん、次世代のBMWデザインを示しているわけだが、EVが前提となっており、「クリア、エレガント、タイムレス」がテーマとなっている。これまでのエンジン車のBMWと目指すどころか、どこがどう進化していくのか、製品化される姿を想像しながら眺めているだけでも楽しい。
その一方で、これまで長年に渡ってBMW車のデザインを特徴づけてきた、ダブルヘッドライトやキドニーグリルなども組み込まれていた。それも見どころのひとつになっている。自動車デザインの新しさと伝統を読み解く面白さを体現している。