なんと逆転勝訴です!
なんと逆転勝訴です!
裁判所
「労災おりるよ!うつ病になった原因はイジメじゃん」
判決が逆転した理由は以下のとおりです。
[理由]
・イジメは集団で行われている
・長期間継続している
・常軌を逸した悪質なひどいイジメ、嫌がらせである
・Xさんが受けた心理的負荷は強度
・上司はXさんから相談を受けたのに防止策をとっていない
・イジメとうつ病との間に相当因果関係が認められる
▼ 基礎知識
精神障害になってしまった場合に労災が下りるか?は、以下の3ステップで検討されます。
1 .仕事によるストレスが「強」か?
2. 仕事以外のストレスが影響していないか?
3 .その人個人に原因はないか?
(引用元:精神障害の労災認定)
今回の裁判もおおむねこの3ステップを経て検討されました。
▼ 損害賠償請求もイケたかも
今回は労災の裁判でしたが、損害賠償請求もイケたんじゃないかなと思います。同僚女性や会社に対する損害賠償請求です。うつ病を抱えての裁判はかなり精神的にツライですが、いまイジメられている方は損害賠償請求も視野に入れて証拠を確保してみてください。録音、チャットなど。
上司に相談しておくことも大切です。「上司に相談しなかったのにきちんと対応してくれなかった」ことは安全配慮義務違反を基礎づける証拠になるので、会社に対して損害賠償請求しやすくなるんです。
▼ 同僚間でもパワハラの可能性あり
現在のパワハラ防止法では、同僚間でもパワハラが成立する可能性があります。
Q.
え?パワハラって上司や先輩からやられるものでは?
A.
厚生労働省指針は、以下は同僚間でもパワハラにあたるとしています。
・イジワル
〈正式文言〉
同僚又は部下による言動で、当該言動を行う者が業務上必要な知識や豊富な経験を有しており、当該者の協力を得なければ業務の円滑な遂行を行うことが困難であるもの
・2人以上からのイジメ
〈正式文言〉
同僚又は部下からの集団による行為で、これに抵抗又は拒絶することが困難であるもの
今回のケースはパワハラ認定されると考えます。2人以上のイジメがパワハラと定義されたので、その事実を立証できれば損害賠償請求が認められる可能性は高くなると考えます。
さいごに
男性のイジメと女性のイジメ、どちらの方が恐ろしいんでしょう。男性の場合は物理攻撃、女性の場合は口撃、といったイメージがありましたが、どうやらそんなこともないようです。【飛び蹴りや殴るふりをする】ってかなりヤンキーな女性社員でしたね。
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▼ 相談するところ
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イジメの改善を求めたり損害賠償請求したい方は労働局でも可能です(相談無料・解決依頼も無料)。
労働局からの呼び出しを会社が無視することもあるので、そんな時は社外の労働組合か弁護士に相談しましょう。
今回は以上です。「こんな解説してほしいな〜」があれば下記URLからポストして下さい。また次の記事でお会いしましょう!
取材・文/林 孝匡(弁護士)
【ムズイ法律を、おもしろく】がモットー。コンテンツ作成が専門の弁護士です。
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