クリスマスシーズンが近づくと、SNSで論争が巻き起こることで知られるジュエリーブランド「4℃(ヨンドシー)」。そのブランドを展開する4℃ホールディングスの業績が上向いてきました。
2024年2月期第2四半期の売上高は前年同期間比3.2%増の191億1,000万円、営業利益は同65.7%増の10億6,900万円となりました。主力のジュエリー事業はわずかな減収となったものの、大幅な増益となっており、構造改革を進めた成果が出てきました。特に不調だったブライダル部門の退店効果が表れています。
アパレル事業では出店を強化し、増収へと貢献。ジュエリーとアパレルの両輪で業績回復を主導しています。
業績は底打ち反転して回復軌道に
4℃は上半期の営業利益を8億円と予想していましたが、その1.3倍で着地しました。
同社は2024年2月期の売上高を前期比1.3%増の400億円、営業利益を同6.1%増の21億円と予想しています。2期連続の増収増益予想です。計画通りに進むと、営業利益率は5.3%となり、前期よりも0.3ポイント高まります。
※決算短信より
4℃は長らく業績低迷に苦心していました。2017年2月期に6期ぶりの減収、翌期には減収減益となり、5期連続でそれが続いてしまいます。2019年2月期の営業利益率は10.6%ありましたが、コロナ禍もあって2022年2月期は4.7%まで下がりました。
苦戦している要因の一つが、ブライダルジュエリーでした。この市場は婚礼数の縮小とともに下がっており、矢野経済研究所によると2019年は1,568億円。10年でおよそ400億円が失われています。
しかしながら、婚約指輪や結婚指輪を探す男性や女性はジュエリーショップにとって主要な顧客であることは間違いありません。一定の需要があるため、ブライダル専門のショップを展開していれば、その受け皿になりました。
4℃はコロナ禍が到来する2020年2月末時点で、40の専門店を出店していました。国内で展開する全店舗の2割に相当します。