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HUAWEIはメガネ、Xiaomiはテレビで攻める!海外スマホメーカーの〝ポスト・スマホ〟戦略

2023.10.31

Xiaomiはテレビをauショップで販売

房野氏:一方で、Xiaomiはスマートフォンやスマートバンドに加え、ロボット掃除機やテレビを一挙に発表しましたね。

「Xiaomi ロボット掃除機 S10」

チューナーレススマートテレビ「Xiaomi TV A Pro」シリーズ

法林氏:スマートフォンよりも、テレビのほうが、注目度が高いよね。

石川氏:そうですね。スマートフォンだけじゃない戦いになってきた。ようやく、Xiaomiの強みが発揮されてきたかなと思います。しかも、auのキャリアショップでテレビを販売する。まあ、テレビを分割で買えることになるとのことなので、それは面白いかなと思います。

石野氏:テレビの割引規制は、4万円上限じゃないですよね?

石川氏:半分だけ払って、2年後に返すとかもないでしょうね(笑)

法林氏:分割払いの金利を、auが0%に設定可能だけれど、さすがに、返却プログラムはないと思うけどね(笑) ただし、クレジットカードを持っていない人でも、auの回線があれば、分割払いができるようになる。

房野氏:チューナーレスだけれど、解像度は、32インチモデルがHD、そのほかが4Kですね。

石川氏:そう。画面サイズも4タイプ(32/43/55/65インチ)ある。

房野氏:パネルは有機ELですか?

法林氏:液晶。チューナーレステレビが注目されているし、レコーダーを用意すれば地上波だってもちろん、観られる。

石川氏:国内のテレビメーカーがチューナーレステレビを売るには、何かとしがらみがあるようで難しいらしい。だから、新規参入メーカーが、家電量販店でないところでテレビを売るというのは、アリ。シニア層の中にはXiaomiを知らなかったり、NHKを観たいという人が多いかもしれないけれど、若年層には、チューナーレステレビで十分かも。auのユーザー層にも合っているんじゃないかな。

石野氏:NHKの受信料を払わなくていいから、「実質毎月1100円の割引です」って言ったら怒られますかね(笑)

法林氏:さすがに怒られるでしょう(笑)

房野氏:au(KDDI)で販売するメリットはあるんですか? KDDIはグループ会社にJ:COMがありますが。

石川氏:KDDIとJ:COMの関係性は、以前とは変わってきた。ただし、XiaomiはKDDIと組んでいるので、今後、J:COMが絡んでくる可能性はある。J:COMと契約しているユーザーは、CSで野球を観戦したいという、シニア層が多いはず。寝室用など2台目テレビとして、Wi-Fiに接続してNETFLIXを観る。そんな使い方なら、J:COMとの相性もいいはずです。

 J:COMの営業マンは、テレビを直すとか、設置するといった理由で家に上がることが多い。ユーザーのお宅に快く受け入れてもらえる、そんな営業マンは少ないはず。そんな密な人間関係ゆえ、Xiaomiのテレビが売れていく可能性はあります。

石野氏:Xiaomiの掃除機って、完成度が意外と高いんですよ。ハンディクリーナーなんて超便利。

Xiaomi「Mi ハンディクリーナー ミニ」

法林氏:あれいいよね。僕も使っています。

房野氏:ちなみに、グローバルで見ると、Xiaomiはスマートフォンと家電製品の売上って、どちらが大きいんですか?

法林氏:さすがにスマートフォンかな。ただ、かなり家電を売っているのは事実。そのほとんどが、IoT家電になっている。

石野氏:サムスンやLGといった、伝統的な家電メーカーとはちょっと違う。

房野氏:家電類はXiaomiのアプリで、容易にコントロールできますしね。

法林氏:そうだね。Xiaomiのスマートフォン以外でも、アプリをインストールすれば、もちろん、使える。ほかのメーカーが手を出しにくい領域や価格帯で販売できるのも、魅力。

石川氏:ちょっと思ったのは、Xiaomiの端末をKDDIやソフトバンクは、店頭で取り扱うのに、AQUOSとかXperiaがオンライン限定の扱いになっているのが、どうなのかなと。コストパフォーマンスのいい中国メーカーの製品を導入しておきながら、日本メーカーがオンライン限定の扱いなのは気になる。

法林氏:そこは、台数との兼ね合いもあるんじゃないかな。中国系のメーカーは、ロットが少なくても日本のキャリアに納めちゃうけど、日本のメーカーはロットがある程度の台数を確保して、納めたい。台数を減らすんだったら、思い切って、オンライン専用モデルで売ってみようって話になったんじゃないかな。実際、オンラインでの販売は伸びているし。

石川氏:端末の調達計画って、販売の2年くらい前から始めるんですよ。その計画を受けて、部品を確保していく。だから、いざキャリアへ納入する段階で、キャリアから「この端末はいりません」と言われたら、すごく困る。妥協案としてオンライン販売があると言っているメーカーの人もいました。キャリアは今、端末調達を相当渋っていますよね。

法林氏:特にKDDIの端末調達は渋いよね。端末の在庫をどうするかが、各キャリアの調達部門の悩み。国内メーカーに限らず、iPhoneを含めての話です。

石川氏:キャリアが端末の割引をする時、在庫期間が何か月以上必要とか、前モデルの販売終了から何か月必要といった、総務省のルールがあって、それが悪い影響を与えている。売値を大きく下げ在庫を処分して、次のモデルの販売へとシフトする……そんなビジネスモデルを描けなくなったので、日本メーカーにしわ寄せが来ているんじゃないかな。

石野氏:Androidスマートフォンを作っているメーカーにとっては、Google Pixelの影響が一番大きいと思いますけどね(笑)

……続く!

次回は、Google Pixel 8/8 Proについて会議する予定です。ご期待ください。

法林岳之(ほうりん・ たかゆき)
Web媒体や雑誌などを中心に、スマートフォンや携帯電話、パソコンなど、デジタル関連製品のレビュー記事、ビギナー向けの解説記事などを執筆。解説書などの著書も多数。携帯業界のご意見番。

石川 温(いしかわ・つつむ)
日経ホーム出版社(現日経BP社)に入社後、2003年に独立。国内キャリアやメーカーだけでなく、グーグルやアップルなども取材。NHK Eテレ「趣味どきっ! はじめてのスマホ」で講師役で出演。メルマガ「スマホで業界新聞(月額540円)」を発行中。

石野純也(いしの・じゅんや)
慶應義塾大学卒業後、宝島社に入社。独立後はケータイジャーナリスト/ライターとして幅広い媒体で活躍。『ケータイチルドレン』(ソフトバンク新書)、『1時間でわかるらくらくホン』(毎日新聞社)など著書多数。

房野麻子(ふさの・あさこ)
出版社にて携帯電話雑誌の編集に携わった後、2002年からフリーランスライターとして独立。携帯業界で数少ない女性ライターとして、女性目線のモバイル端末紹介を中心に、雑誌やWeb媒体で執筆活動を行う。

構成/中馬幹弘
文/佐藤文彦

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