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HUAWEIはメガネ、Xiaomiはテレビで攻める!海外スマホメーカーの〝ポスト・スマホ〟戦略

2023.10.31

■連載/法林岳之・石川 温・石野純也・房野麻子のスマホ会議

スマートフォン業界の最前線で取材する4人による、業界の裏側までわかる「スマホトーク」。今回は、HUAWEIやXiaomiの日本での戦略について会議します。

ウエアラブル製品で攻めるHUAWEIの注目は「メガネ型イヤホン」

房野氏:HUAWEIが最新のイヤホンやスマートウォッチといったウエアラブル製品を多数発表しましたね。

「HUAWEI FreeBuds Pro 3」市場想定価格2万8800円

「HUAWEI WATCH GT 4」46mmケース径シリーズのブラック(フルオロエラストマーベルト)3万3880円、ブラウン(レザー)3万6080円、グレー(ステンレス)5万4780円。41mmケース径シリーズ、ブラック(フルオロエラストマー)3万2780円、ホワイト(レザー)3万4980円、シルバー(ステンレス)5万4780円

石野氏:HUAWEIの今季ベスト端末はメガネ型イヤホンだったっていう(笑)

11月24日より発売予定「HUAWEI Eyewear 2」。ブラックは市場想定価格3万7800円、チタニウムシルバーは市場想定価格4万7800円

法林氏:意外だよね(笑)

石野氏:でも、すごい完成度ですよ。普通のメガネより軽いし、ツルの部分もちょっと太い程度。かけ心地もよくて、なおかつ音漏れもしない。もう、HUAWEIはメガネ屋さんになったほうがいいとすら思いました。メガネなら、半導体もそこまで高性能のタイプを乗せなくていいですからね(笑) OWNDAYSでも販売されるし、HUAWEIの執念を感じました。

石川氏:うん。時計よりも可能性を感じたね。時計はApple Watchが圧倒的に強いので、市場に入っていくためのメガネっていうのはありだと思う。今回の「HUAWEI Eyewear 2」は、初代から比べて、軽くなって実用性が上がっている。これからもっと盛り上がってほしいです。

 説明会では、「日本人がかけやすいサイズにした」と話していた。OWNDAYSが、年間350万本のメガネを売っているので、そのデータを参考にしたと。そもそも、OWNDAYSは1日1万本も売っているんですよね。

石野氏:500店舗以上ありますからね。

法林氏:海外店舗も含めてね。1店舗あたり、1日20本を売ればいい計算と考えると、1日1万本、年間350万本の販売数を理解できる。

石川氏:そうですね。HUAWEIは、日本にかなり特化した製品を作っている。技術ベースは中国向けモデルかもしれないけど、デザインやサイズ感を日本に合わせていると聞くと、すごいなと。

石野氏:スマートフォンではできなかった、〝日本専用モデル〟みたいなものですよね。

石川氏:とはいえ、やっぱりスマートフォンは日本でも販売してほしいなと思ってしまいましたね。

石野氏:時計、イヤホン、メガネというラインアップだから、ウエアラブルメーカーだよね。

房野氏:PCも日本展開をやめてしまいましたし。

法林氏:現状は仕方ないと個人的には思う。中国ではスマートフォンを販売しているけれど、GMS(Google Mobile Services)が利用できないので、日本国内での販売は厳しい。〝HUAWEIはスマートフォンが作れない〟と表現したがるマスコミ関係者がいるけれど、それは違う。ウエアラブル製品に可能性を見いだしているのであって、このラインアップでいいと思う。

 それから、HUAWEIの製品は、イヤホンも時計も、iPhoneやAndroidにつながる、極めてオープンな製品になっている。そもそもの話として、「スマートフォンを販売していないから、ウェアラブル製品もダメ」と否定するのなら、ガーミンもアウトってことになる。

石川氏:もちろん、HUAWEIのやり方がだめとは思いませんよ。スマートフォンがあったらよかったのにと思ってしまうというだけです。

石野氏:これだけいい製品を作れるメーカーが、日本でスマートフォンを売っていないのは、残念ですね。

法林氏:そこは僕も、すごく残念だと思う。

石野氏:スマートフォンを日本に持ってきても売れないというけれど、46万円もするスマートウォッチを売るなら、スマートフォンを持ってきてもいいんじゃないかなと、僕は思いました。スマートフォンを販売するための布石かな? と思いましたが(笑)

「HUAWEI WATCH | ULTIMATE DESIGN」市場想定価格45万9800円

法林氏:時計は、高い製品はいくらでもあるからね。

石川氏:まあ、HUAWEIには、クラウドファウンディングを使うとか、そういった存在感を見せてほしいですね。

石野氏:ただし、HUAWEIは日本でのスマートウォッチのシェア率が2位なんですよ。規模は大きい。

法林氏:スマートフォンに比べると、1台当たりの利益が低いけどね。とはいえ、売りやすい商材なのは間違いないし、プラットフォームの種別を問われにくいという強みもある。

房野氏:HUAWEI Eyewear 2はAndroid OSをベースにしているんですか?

法林氏:いや、関係ないと思うよ。

石野氏:イヤホンですからね。Bluetoothで繋がっているだけです。ただし、最近のイヤホンは、アプリでアップデートやノイズキャンセリングのコントロールをするモデルがほとんどで、HUAWEIの場合は「AI Life」というアプリを使う。App Storeにはアプリがあるけど、Androidで使う場合は、HUAWEIが自ら配信しているものを、サイドローディングで入れるしかない。

「AI Life」

房野氏:アプリはHUAWEIのHPからインストールするのですか?

法林氏:そう。HPにApp Gallery(HUAWEIのアプリストア)があるので、そこから入れる。一度アプリをインストールしてしまえば、使う分には、ほかのアプリとそこまで変わりません。

石野氏:アプリストアを介さず、サイドローディングをしないといけないのには、ちょっとひっかかる。「このアプリは危険性があります」と表示されると、ユーザーはとまどってしまうかもしれない。HUAWEIが提供しているので、危ないアプリではないのに。

房野氏:HUAWEI Eyewear 2にはチタンが使われているとのお話ですが、質感はいかがでしたか?

石川氏:実際に触ってみると、あまりチタンっぽくはなかったです。ちょっとプラスチックっぽい。

石野氏:メガネとしてのデザインとか質感は、やはりOWNDAYSのほうがうまいなと思いましたね。

房野氏:HUAWEIが全体をデザインしているものと、ツルの部分以外はOWNDAYSがデザインしているモデルがあるんですよね。

石野氏:そうですね。OWNDAYSの田中社長が発表会で登壇して、「メガネ屋が作っているスマートグラス製品はない」と話していましたが、その通りだなと思いました。OWNDAYSモデルならレンズも込みですし、そこはメガネとして強いですね。

OWNDAYS株式会社 代表取締役 田中 修治氏

法林氏:HUAWEI Eyewear 2のキモは、フレームの部分の蝶番(ちょうつがい)が、顔のサイズに合わせて広がるようにできていたり、音漏れをなくすために、逆位相の音を生成するなど、技術的な部分。よくわかっているな……と感心しました。

石野氏:ツルの部分のスピーカーから音が出るけれど、大気中で逆位相の音をぶつけて、ノイズキャンセリングをするイメージですね。

房野氏:NTTソノリティの「nwm(ヌーム)」がやっている仕組みと似ていますよね。

nwm MBE001

石野氏:技術的には近いですね。特許などがどうなっているのかなと、少し気になりました。いずれにしても、音漏れは前モデルからさらに低減されています。

石川氏:ちょっと気になるのは、HUAWEIのロゴかな。シルバーで目立たなくなっているけどね。

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