NTTコム オンライン・マーケティング・ソリューションは、「NPSベンチマーク調査2023 クレジットカード部門」を実施。顧客ロイヤルティーを数値化する指標NPSが最も高いのは楽天カードとなった。本稿では、その調査結果の概要をお伝えする。
クレジットカード部門のNPSおすすめランキング1位は楽天カード
対象のクレジットカード会社18社のうち、NPSのトップは楽天カード(−27.1ポイント)、2位はdカード(−28.7ポイント)、3位はANAカード(−29.7ポイント)となった。
対象18社のNPS平均は-42.9ポイント、またトップ企業とボトム企業との差は38.7ポイントとなっている。
昨年のNPS上位企業と業界平均のNPS比較
業界全体のNPSについて昨年と比較をしたところ、業界平均は4.2ポイント低下しており、特に昨年のNPS上位企業3社ではNPSが大きく低下する結果となった。
2022年のNPS上位企業における満足度項目の昨年比較 (差分の大きい上位5項目)
NPSが大きく低下した昨年の上位企業3社に絞って昨年と今年の満足度を比較したところ、差分の大きい上位5項目としては、「ポイント・マイルの交換景品や移行先の豊富さ」や「ポイント・マイルの貯まりやすさ・還元率」、「ポイント・マイルの利用手続きのしやすさ」といったロイヤルティに与える影響も大きいポイント・マイルに関連する項目がみられた。
NPS上位企業を含めて、クレジットカード各社において会員サービスの内容や年会費などの見直しが進んでおり、このことが業界全体のNPS低下にも影響を与えたものと推察できる。
■クレジットカード業界全体ではポイント・マイルの交換商品・移行先の豊富さや、会員向けの特典・キャンペーンなどでの改善が期待される結果に
業界全体のロイヤルティ要因分析(ドライバーチャート)
業界全体のロイヤルティを醸成する要素としては、「ポイント・マイルの利用手続きのしやすさ」のほか、「お客様に寄り添う姿勢・大切にする姿勢」、「カードのブランドイメージの良さ・ステータス」といった項目となった。
一方、今後の改善が期待される項目としては「ポイント・マイルの交換商品や移行先の豊富さ」や「店舗での商品やサービスの割引、ポイント付与など特典の充実度」といったポイントやマイルに関連した項目が挙がっている。
また、「会員向けイベントやキャンペーンの充実度」、「利用金額の多さや長期利用に対する特典」といった会員向けの特典やキャンペーンや、「Webサイトの使いやすさ・分かりやすさ」や「会員専用ページや公式アプリ、メルマガ、会報誌などのコミュニケーションの充実度でも今後の改善を期待する回答が得られた。
PSおすすめランキング1位となった楽天カードにおいては、「ポイント・マイルの貯まりやすさ・還元率」や、業界全体のロイヤルティの優先改善項目でもある「ポイント・マイルの交換商品や移行先の豊富さ」、「ポイント・マイルの利用手続きのしやすさ」といったポイントの貯まりやすさや利用のしやすさに関連する項目が高く評価された。
2位のdカードにおいては「d払い」、「iD」との連携から「他決済サービスとの連携のよさ」への評価において、3位のANAカードは「カードのブランドイメージの良さ・ステータス」や「会員向けイベントやキャンペーンの充実度」でそれぞれ満足度が高くなり、NPS上位となった。