グローバルレベルでのIOWN技術の推進を目指す
NTTと中華電信股份有限公司(中華電信)は、高速大容量通信によるネットワーク・情報処理基盤の構想「IOWN」による国際ネットワーク接続の実現に向けた基本合意書を締結したと発表した。
NTT島田社長(左)と中華電信のKuo CEO (右)
NTTは、光を中心とした革新的技術を活用し、高速大容量通信ならびに膨大な計算リソースなどを提供可能な、ネットワーク・情報処理基盤の構想であるIOWN構想を提唱し、Innovative Optical and Wireless Network (IOWN) Global Forumなどを通じて、新たなコミュニケーション基盤の実現を促進している。
中華電信は、台湾の時価総額ベスト5に入る企業で電気通信業ではトップに位置する企業。中華電信は各国の主要通信業者とのコラボにより、先端のICTサービスをグローバル企業にサービス提供している。また、IOWN構想に賛同し、IOWN Global Forumへ早期参画、ユースケースや技術の検討をリードしている。
NTTと中華電信は、これまで培った通信技術、経験に基づき、グローバルレベルでのIOWN技術の推進とビジネスとセキュリティの実現を進めていくという。
■本合意書の概要
両社が強みとする、光伝送技術や無線伝送技術、NTT・中華電信での社会実装の実績を基に、日本と台湾間をIOWNのオールフォトニクス・ネットワーク技術を活用し国際間のネットワーク接続の実現をめざす。また、国際ネットワーク接続における通信の透明性の実現に向けた、インタフェースおよび国際接続ルールの確立をめざす。
■今後の展開
NTTと中華電信は、強靭な通信インフラであるオールフォトニクス・ネットワーク等のIOWN技術による国際ネットワーク接続により、IOWNの様々な技術を活用したユースケースの実現を通じて多様性を受容できる豊かな社会へ貢献することをめざす。
■日本電信電話株式会社 代表取締役社長 島田 明氏コメント
「卓越した技術と豊富なグローバルビジネスの経験があるNTTと中華電信が協力してIOWNの国際間通信に取り組むことは、IOWNの技術開発およびサービス展開を強力に加速させることになると期待しています。このNTTと中華電信の取り組みによる実績によって、他の様々な国でのIOWNの展開も進めていきたいと考えています」
■中華電信股份有限公司 会長 郭 水義氏コメント
「台湾の大手電気通信会社である中華電信は、日本の大手電気通信会社である NTTと 本合意書を締結できることをうれしく思います。 中華電信は、IOWNの革新的技術の開発ビジョンに賛同し、今後も『always be at the front:常に最前線に立つ』というブランド精神を堅持し、ESG省エネとCO2削減という企業の持続可能性目標を実行し、革新的な研究開発に積極的に投資し、インターネットとアプリケーションサービスを通じて、より多様で便利なサービスを人々にお届けしていきます」
●IOWN構想について
IOWN(Innovative Optical and Wireless Network)構想とは、あらゆる情報を基に個と全体との最適化を図り、多様性を受容できる豊かな社会を創るため、光を中心とした革新的技術を活用し、これまでのインフラの限界を超えた高速大容量通信ならびに膨大な計算リソース等を提供可能な、端末を含むネットワーク・情報処理基盤の構想。2024年の仕様確定、2030年の実現をめざして、研究開発を始めている。
●オールフォトニクス・ネットワークについて
フォトニクスベースの技術を活用し、低消費電力、高品質・大容量、低遅延の伝送の実現に向けて、「電力効率を100倍に」「伝送容量を125倍に」「エンド・ツー・エンド遅延を200分の1に」の3つの目標性能を掲げている。
構成/ob1