FF車の軽快さとAWDモデルの安心感
試乗したのは、AWDのハイブリッドとFFのハイブリッド、どちらもST-Hだ。スバルといえばAWDだが、普通車のスタートはFFのスバル1000。伝統のFF車から試乗する。外観はFFもAWDも同じ。エムブレムもないので、両車を見分ける手がかりはない。
ただし、走り出すとわずかだが、FF車の軽快さを感じる。車両重量はFFが1540kg、AWDは1590kgなので、体重50kgのパッセンジャー分の重さが、若干の差になっている。それは、0→100km/hの加速を計測するとハッキリする。FFが9秒台後半に対し、AWDは約1秒、遅かった。FF車は、コーナリングでも軽さがあり、ハンドリングを楽しむことができる。とくにSモードを選択すると、立ち上がりからの加速感がリニアに感じた。
eBOXERは、スタート時や加速時に、モーターパワーを使うのだが、モーターのパワーは13.6PS、65Nmと小さいので、その効果も限定的。もう少し、ハイブリッド効果を大きくしたモデルも欲しい。軽快な感じで操ったFF車は、しっかりと開発に時間とお金をかけたクルマづくりの安良心のようなものが感じられた。
しかし、AWDモデルに乗ると、違った良さも体感することができた。それはとくに高速走行の時。当然かもしれないが、4輪駆動と2輪駆動の安定感の違いを顕著に感じたのだ。やはりAWDの安定感は頼もしい。雪道や凍結路では当然だが、とくに雨の降りはじめで路面が湿り始めた時などのハンドリングの違いは歴然としている。雪道だけでなく、高速道路を走る機会のある人は、AWDに乗るべきだ、と言いたい。
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文/石川真禧照 撮影/萩原文博