佐藤愛⼦氏コメント
草笛光⼦さんには50年ほど前に対談でお⽬にかかったことがあり、その際、お互い別れた夫の悪⼝を⾔って⼤いに盛り上がったのを覚えています。
今回、映画化にあたって、実に久し振りに⼆度お⽬にかかりましたが、相変わらずお綺麗で、私とはまるで違う。私はあんな上品じゃありませんからね。
この厄介な私を演じるなんて、⼤変だなァ、気の毒だなァと同情申し上げたい気持ちでいっぱいです。
九⼗歳を過ぎ、『晩鐘』という⼩説を書いた後は、もう私の胸の中にあるものを総ざらえで出し切ったと思って、毎⽇ぼんやり過ごしていたんですが、そんな時に⼥性セブンから連載エッセイの依頼がありました。
特に新しいことを考えて書いたわけでも、何か特別な思いを込めたものでもなく、相も変わらず憎まれ⼝を叩くという、そんな気分でしたかね。私はいつも⾃然体を⼼がけているだけです。
そんな『九⼗歳。何がめでたい』を原作にして、どんな妙ちくりんな作品が出来上がるのやらと楽しみにしています。
佐藤愛⼦氏プロフィール
1923年⼤阪府⽣まれ。甲南⾼等⼥学校卒業。69年『戦いすんで⽇が暮れて』で第61回直⽊賞、79年『幸福の絵』で第18回⼥流⽂学賞、2000年『⾎脈』の完成により第48回菊池寛賞、15年『晩鐘』で第25回紫式部⽂学賞を受賞。17年旭⽇⼩綬章を受章。今年11⽉5⽇に100歳を迎える。
草笛光⼦さんコメント
あっという間に90と⾔う数字が⽬の前にやってきました。みなさんに「90歳おめでとうございます」と⾔われるので、私90歳︖なんですよね︖笑
毎⽇、⽼いと闘っていますが、90歳と闘ったら損。闘わないように受け⼊れて90歳を⼤事に⽣きてみようと思います。90歳は初めてで最後、⼤事な⼀年を⼤事に⽣きます。
そんな年に佐藤愛⼦先⽣を演じることになり、「まさか︕とんでもないことになりました︕」という想いです。
佐藤愛⼦先⽣の明快に物事をおっしゃる作品は、とても気持ちが良いと思っていましたので、そのリズムを軸にして演じたいと思っています。
いよいよクランクインを迎え、⼤変なことですが、私は私なりに正直に⼀⽣懸命やります。
⼤事に演じ⼤事に⽣きます。
草笛光⼦さんプロフィール
1950年松⽵歌劇団⼊団。1958 年⾃らが司会の「光⼦の窓」でお茶の間の⼈気を博す。「ラ・マンチャの男」「シカゴ」の⽇本初演に参加するなど⽇本ミュージカル界の草分け的存在として活躍。
主な出演作品:映画『⽝神家の⼀族』『⽼後の資⾦がありません』舞台「6 週間のダンスレッスン」「ドライビング・ミス・デイジー」ドラマ「真⽥丸」「鎌倉殿の 13 ⼈」「まだ結婚できない男」「その⼥ジルバ」著書「草笛光⼦ 90 歳のクローゼット」1999 年紫綬褒章受章、2005 年旭⽇⼩綬章受章。
作品情報
タイトル:『九⼗歳。何がめでたい』
製作幹事:TBS
配給:松⽵
原作:佐藤愛⼦「九⼗歳。何がめでたい」「九⼗⼋歳。戦いやまず⽇は暮れず」(⼩学館刊)
監督:前⽥哲
公開日:2024年6⽉21⽇(⾦)
原作情報
「暴れ猪」の異名を取る直⽊賞作家・佐藤愛⼦さんが、⾃分の⾝体に次々に起こる「故障」を嘆き、時代の「進歩」を怒り、悩める年若い⼈たちを叱りながらも温かく⿎舞し、2017年の年間ベストセラー総合1位となった『九⼗歳。何がめでたい』。
編集部に届いた感想の葉書は2万通を超え社会現象となった。2021年には、続編『九⼗⼋歳。戦いやまず⽇は暮れず』と、単⾏本にインタビューや対談、新エッセイなどを加えた⽂庫本『増補版 九⼗歳。何がめでたい』を刊⾏。現在、シリーズ累計発⾏部数は167万部を超える。
タイトル:『九⼗歳。何がめでたい』、⼩学館⽂庫『増補版 九⼗歳。何がめでたい』『九⼗⼋歳。戦いやまず⽇は暮れず』
著者:佐藤愛⼦
関連情報
https://www.shogakukan.co.jp/pr/medetai/index.html
構成/Ara