お世話になった相手やこれから深い付き合いになりそうなビジネスの関係でよく利用される手土産菓子。多様な選択肢がある中、どのような基準で選ぶべきか、迷うこともあるだろう。そんなときには、それぞれの菓子のこだわりを知るのはいかがだろうか。
今回は手土産として多くの人に選ばれている3つのブランドの手土産としての工夫やこだわりに迫る。手土産として選ばれる条件とは?
大叔母の思い出の手作りケーキを形に
TIMY(ティミー)のアップルシナモンケーキ「みっちゃんの。」は、フランス家庭で習ったレシピを踏襲しつつオリジナルアレンジを施したパウンドケーキ。
「『みっちゃん』は母の叔母です。彼女は、80歳を超えても毎日スイミングを楽しむパワフルな女性。私が幼い頃から、みっちゃんはリンゴの美味しい季節になると、我が家に手作りのアップルシナモンケーキを届けてくれました」
そう話すのは、同社の代表だ。同時にシェフも務めている。
「レシピはみっちゃんがフランスの友達から直接教わったもので、日本人家庭からすれば珍しいもの。どうしても知りたく、みっちゃんからレシピを教わった機会もありました。みっちゃんが亡くなってからは、私たち家族に『美味しい幸せ』を届けてくれたアップルシナモンケーキのバトンを受け継ぎたいと思い立ち、商品化に至りました。家族の中でこのケーキの呼び名は『みっちゃんの』だったので、迷うことなくそう名付けました」
●手土産としての工夫
もともと手作りの手土産だったことから、商品についても贈答用を意識したという。
「お中元・お歳暮・お祝いなどの際、渡す側・受け取る側も喜んでもらえるように、パッケージにもこだわり、手作り感が出るように仕上げました。またレーズンをラム酒で漬け、バターを使用せず米油を使用するなどして日持ちする工夫もしました」
手土産としての魅力はパッケージにもあるという。
「オレンジのパッケージの可愛らしさと宝石箱のような高級感にもこだわりました。お客様の中にはパッケージをドライフラワーなど小物入れとして楽しんでくださっているという嬉しいお声もいただいています」
そもそも手土産は、「心」を相手に伝えるために添えるもの。「みっちゃんの。」の温かい開発ストーリーや思い出がそのまま渡す相手への思いと重なる。これが手土産として選ばれる理由になっているように感じた。
まもなく新商品「みっちゃんの。みかんピール」を販売する予定だという。
「みっちゃんがアップルシナモンケーキと同様に、昔から我が家に届けてくれた嗜好品の一つです。みかんの皮がなんとも言えない食感で、美味しさがクセになるスイーツに仕上げています」
手土産菓子の新たな選択肢にも期待したい。