産後パパ育休など、育児と仕事が両立しやすい制度が増えている中、会社が子育て応援のために、仕事と育児の両立セミナーや、交流イベントなどを開催するケースも増えてきた。社員の子どもが参加でき、親子で楽しめるイベントも見られるようになった。果たしてどんな効果や意義が生まれるのか探ってみた。自社で開催される親子イベントに参加するか迷っている人は、ぜひヒントにしてほしい。
化粧品ブランド企業が夏休みの自由研究サポートのイベントを開催
女性活躍推進企業として取り上げられることも多い、化粧品ブランド「マナラ」などを手がける株式会社ランクアップは社員の8割が女性。その半分は母親であり、代表取締役や副社長も一児の母であることから、ワーキングマザーへのサポートを積極的に行っている。
2023年8月23日には、東京・銀座の本社で「夏休み自由研究イベント」を開催し、講師を招いて小麦粉を使って実験する研究対象を提供した。
同社ではもともと子連れ出社が可能だが、その親と共に出社した子どもを対象に、まだ自由研究が終わっていない家庭の“夏休みの宿題の追い込み”をサポートするねらいだ。
広報部の水野理菜氏は同イベントの効果について次のように話す。
「子どもが夏休みの宿題をなかなかやってくれないことは悩みの種。特に自由研究はテーマ決めから実施、レポートにまとめるまで手間がかかるものです。『家でやっていたら、絶対に親子喧嘩になっていた。会社で皆でやることで、子どもも楽しんで取り組んでくれたのでありがたかった』という声や、『小麦粉と絵の具を使うような、家はなかなかやらせてあげられないテーマで実験をさせてもらえてよかった』などの声があがっています」
同社では、すでに自由研究イベントを今年も含めて2回以上開催しており、冬休みには「書初めイベント」も開催。2023年4月には子連れ入社式も行った。その他、ハロウィンイベントや会社の運動会なども、子連れで参加できるようにしているという。
子どもを交えたイベントを開催は、会社としてどのようなメリットがあるのだろうか。
「弊社では、オンライン会議や朝礼に子どもがカットインしてきても、社員がみんな手を振る、というような“子どもウェルカム”な雰囲気があります。こうした良い職場の雰囲気づくりが実現しているのは、親子イベント開催や子連れ出社など、子育て社員が気兼ねや遠慮をすることなく働ける環境を整えているからだと感じています。特にイベントは子どもがいる社員同士の交流にもつながり、年齢別の子育てで困っていることについて助け合えるなど、社員同士のコミュニケーションの場としても機能しています」