スーツのニオイケア方法
もしスーツのニオイが気になったら、どのようにケアするのがいいだろうか。クリーニングに出すのが手っ取り早いように思えるが、どうなのだろうか。
「クリーニングの頻度は多ければ多いほど良いとは限りません。繊維にダメージが蓄積されてしまうからです。着用頻度にもよりますが、週5回着るとすれば、クリーニングに出すのは2ヶ月もしくは3ヶ月に一度が妥当といわれています。
とはいえ、これではニオイ対策としては十分ではないですよね。その場合、消臭スプレーを使います。私は出張先のホテルでは着用前夜に吹きかけています。ただしスプレーの成分に、アルコール分や塩素系成分が配合されている場合、使いすぎると生地を傷める恐れがあるため、スプレーを吹きかける頻度についても週1~2回にしています。
ニオイが強いタイプは、香水同様、汗と混ざってしまうことで違和感を生じるかもしれません。無香料もしくは石鹸の香りが無難だと思われます」
ニオイがつきにくいスーツの選び方
ところで、スーツを購入する際、スーツの生地選びからニオイ対策はできるのだろうか?
「防臭効果のあるウォッシャブルスーツも増えてきましたが、化学繊維のものは、人によっては脇汗のニオイが残りやすいといわれます。そのため、ウールやシルク混などの天然繊維スーツを選ぶケースも多いようです。天然繊維は汗などの水分のみならず、ニオイも吸収してくれるため、空気中にニオイが漏れにくくなるので、ニオイ対策としては適しているかと思います。
またスーツだけでなく、意外にワイシャツの素材感も大事です。最近増えてきたポリエステル100%のノンアイロンシャツは、人によっては脇汗がニオイに変わりやすいためです。スーツに合わせるワイシャツとして、綿100%のワイシャツがニオイ防止になるのではないでしょうか」
スーツのニオイケアは、多方面から行うことが有効であるようだ。ぜひ取り組みたい。
スーツのニオイケアアイテム3選
ところで、世間には優秀なスーツのニオイケアアイテムも多い。ぜひ活用してみよう。
●PROUDMEN.「スーツリフレッシャー」シリーズ
(写真左から)「スーツリフレッシャー グルーミング・シトラスの香り」200mL 2,200円、「スーツリフレッシャー シトラス・ムスクの香り」200mL 2,200円、「スーツリフレッシャー グリーン・ウッドの香り」200mL 2,200円、「スーツリフレッシャー ラグジュアリー・オリエンタルの香り」200mL 2,860円(すべて税込み価格)
多くのビジネスマンに愛用されているプラウドメンの衣類用消臭フレグランス「スーツリフレッシャー」シリーズは、シュッと吹きかければいやなニオイを消して、ほのかな香りだけを残してくれる。
もともと人気だったが2022年9月のパッケージなどのブランドリニューアルや、パンデミックが落ち着き人と会う機会が増えたことで、EC売上前年同期比430%と、注目度が高まっている。
トリプル消臭成分配合で、嫌なニオイを2時間後も99%以上カット。衣類のシワ取り、静電気防止機能も備える。
手軽にニオイケアができる上に、心地よい香りで快適に過ごせるメリットもありそうだ。
●Panasonic「コンパクト脱臭機 MS-DM10」
出張中など、できるだけ早く手軽にニオイを取り除きたい場合に便利なアイテム。パナソニック開発のナノイーXがニオイの原因物質を分解するコンパクト脱臭機だ。
スーツをかけたハンガーに吊るしておくだけで、5時間で脱臭が完了。汗臭やタバコ臭・焼肉臭に対応する。寝る前にスイッチを押すだけで翌日にはスッキリしたスーツが着用できる。
出張にも持って行けるサイズ感であるほか、バッグや小物の消臭にも使えるのも便利だ。
●TWINBIRD「ハンディースチーマー」
「ハンディースチーマー」4,980円(税込)(公式オンラインサイト価格)
スーツのシワケアに欠かせないツインバードのハンディースチーマー。ニオイケアにも使える。
選ぶなら、出張にも負担になりにくいこの商品はいかがだろうか。本体は470gと、リンゴ1個程度の軽さだ。
1秒に1回の連続的なショットによって、ムラなくスチームを生地にあてることが可能。
また生地を傷めない適切な温度設定で、スチームがしっかり生地に行きわたるよう、スチームの量とスピードが調整されている。
普段使いはもちろん、出張のお供に重宝しそうだ。
スーツのニオイは、身だしなみの一つである上に、ビジネスマンにとって重要な清潔感を保つのにも欠かせない。ぜひあらゆる方法を駆使して、スーツのニオイケアに励もう。
【取材協力】
森井良行氏
印象コンサルタント
「プロの目線で、ユニクロも好印象」をモットーに、のべ5000人の買い物に同行。公式サイト「エレカジ」では、大人ファッションの事例を80以上公開中。All About メンズファッションガイドも務める。
https://www.elegant-casual.com/cases
文/石原亜香利