クオリティの高いカメラがさらに進化。超広角で〝飯撮り〟もキレイに
広角カメラや超広角カメラに加え、望遠カメラもレンズが明るくなるなど、Pixel 8 Proはそのカメラ性能が全面的に強化されている。一般的なデジカメの望遠ズームとは異なり、中間の倍率は切り出しや超解像ズームが使われてはいるものの、0.5倍から5倍まではあたかもレンズを交換したかのようにクオリティが高い写真が撮れる。幅広い画角から選択ができ、使い勝手のいいカメラと言えるだろう。
上から0.5倍、1倍、2倍、5倍で撮った写真。2倍以外は光学的に画角が変わっているが、明るさなどはうまく調整されている。2倍も切り出しズームになるため、劣化がない
また、望遠カメラはピクセルビニングの解除による切り出しとデジタルズームをAIで補正する超解像ズームの掛け合わせによって、最大で30倍までズームすることが可能だ。倍率自体は前モデルまでと同じだが、30倍で撮った際の写真の画質はより高くなっている。以下に掲載したのは、上記と同じシチュエーションで30倍ズームをしたものだが、横断幕の中のキャラクターまでクッキリ写っている。スマホのディスプレイで等倍表示するのであれば、デジタルズームとなかなか判別しづらいレベルだ。
超解像ズームで最大30倍まで拡大が可能。切り出しとデジタルズームを組み合わせて高精細化の処理をしたものだが、ここまで実用的な絵が撮れる
超広角カメラの画質が改善された結果、これを使うマクロモードのクオリティも向上している。以下は、ご飯を撮った写真だが、やや暗めの店内でもノイズが少なく、ホワイトバランスも忠実。大型のセンサーと明るいレンズを組み合わせると、一部にピントが合いすぎてしまい、料理の全体像を写せなくなってしまう問題があるが、超広角カメラを利用するマクロモードではその心配がない。マクロを解除し、広角カメラを使った写真と比べると、違いは一目瞭然だ。〝飯撮り〟のクオリティも大きく上がった点は高く評価できる。
マクロモードで撮った写真。センサーが進化していることもあり、超広角カメラでもシャープでノイズの少ない写真が撮れる。料理撮影のように、手元のものを写す際に便利だ
上の2枚と同じ被写体を広角カメラで撮った写真。色味や明るさなどはほぼ変わらないが、センサーサイズが大きく、レンズが明るいこともあり、ピントが部分的にしか当たっていない
加えて、夜景撮影時にも超広角カメラが使いやすくなった。以下は渋谷の夜景を通常モードと夜景モード、それぞれで撮った写真だが、ビル明かりやネオン程度の光量があれば、通常モードで十分なクオリティの写真に仕上がる。HDRがしっかり効いており、黒潰れや白飛びも少ない。夜空のノイズ感の少なさも優秀で、夜景に強いPixelの面目躍如と言えるだろう。広角カメラだけでなく、利用頻度の高い超広角カメラに改善が施されたのは、ハードウエアとしての大きな進化と言えそうだ。
超広角カメラで撮った渋谷の夜景。夜景モードは使っていないが、ノイズ感が少なく、HDRもしっかり効いている
もっとも、これはPixel 8 Proの話。Pixel 8に関しては、先に述べたとおり、超広角カメラは12メガピクセルのまま。望遠カメラにも対応していないため、超解像ズームでは8倍までしか被写体に寄ることができない。ただし、30倍となると、上記のように、交差点の反対側にかかった横断幕の一部にまでズームできてしまう。日常的に、ここまでの倍率を使うかというとそうではないだろう。用途も限られるため、8倍ズームである程度のクオリティが保たれているPixel 8で十分という見方もできる。