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海に広がるビジネスチャンスとは?宇宙よりハイレベルな技術が求められる海洋テクノロジーの重要性

2023.10.25

地球の7割を占める海の存在が今あらためて見直されはじめている。海を舞台に様々なビジネスが立ち上げられ、関連する海洋テクノロジーも大きく進化している。そうした海洋分野の最新テクノロジーをテーマにした国際コンベンション「テクノオーシャン2023」(Techno-Ocean 2023)が10月5日から7日の3日間、神戸国際会議場で開催された。

海洋分野のネットワーク形成を目的に、1986年から隔年開催されているテクノオーシャンは今年で19回目を迎え、「海をいかす」をテーマに幅広い話題が取り上げられた。メインとなるのは国内外の専門家や関連企業が参加するパネルセッションだが、関連する技術やサービス、ビジネスを紹介する展示会は無料で公開され、100近いブースが出展されていた。

様々なシーンで活躍する海洋ロボティクス

テクノオーシャン(以下、TON)のパネルセッションは海を取り巻く最先端の話題を取り上げており、今回は海洋ロボティクス、自律運行船、海底鉱物資源、洋上風力発電マーケット、海運とカーボンニュートラル、新たな養殖業という6つのトピックスが取り上げられた。それぞれのテーマは相互に関わる部分も多く、例えば海洋ロボティクスは海底鉱物資源の探査で活用されるなど、使われるテクノロジーも重なるものがある。

パネルセッションでは各分野の最前線にいる産学官のキーマンが登壇した。

展示会でも6つのトピックスに関連する技術がたくさん紹介されていた。その一つ、海洋ロボティクスの分野では、深い海をリモートあるいは無人で探査するAUV(Autonomous Surface Vehicle)の開発が注目されている。

AUVには大きくホバリング型、クルーズ型、グライダー型の3つがあり、ドローンのように一定の場所を保ち続けられるホバリング型は、洋上風力発電をはじめとする水中構造物の定点観測に向いているというように、それぞれの特長を引き出す研究開発が進められている。海流が激しい場所でも安定して運用できる機体が求められ、東京大学生産技術研究所が中心となって開発する「TUNA-SAND」というAUVを商用化した「YOUZAN(ようざん)」は、比較的小型だが2000mの深海に潜ることができ、8時間連続運用できる。

陸上よりも条件が厳しく高度な技術が求められる海のドローンは商用化が進められている。

数千メートルの深海から、広大な範囲の探査に向いているクルーズ型、グライダー型のAUV は、メーカーによってはUUV(Unmanned Underwater Vehicle)と分類され、30年も前から開発が行われているものもある。深海探査は宇宙よりも高い技術が求められると言われ、より厳しい環境で優れた機能を発揮する機体が製造されている。

AUV開発の歴史は結構長い。(写真はKONGSBERGの大型UUV「HUGIN」の1/5スケールモデル)

ロケット開発を手がけるIHIは2000mの深海を24時間以上航行できるAUVを開発。

私たちの周りでもロボットを見かけることが増えたが、海洋ロボティクスも高い性能を持つ機体が研究開発されている。中には事故で海に沈んだ飛行機を探索するという、干し草の山から針を探すような作業や、機雷探査のような危険な作業にも使用されている。最近では海底に敷設されたパイプラインやケーブルの点検といった海のインフラ点検を自動化するAUVも登場している。

防衛装備庁が運用する自律型水中航走式機雷探知機「OZZ-5」の風洞試験模型が展示されていた。

海底パイプライン検査するAUVも登場している(写真は川崎重工の自律型無人潜水機「SPICE」)

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