企業に勤めていると、仕事の頼みごとをする場面は多々あるでしょう。そんな仕事を頼むときに、ためらってしまったり、また頼めなくて自分で抱えてしまったりした経験はないでしょうか。
実は頼みごとをすることが苦手だと感じている人はけっこう多いのです。
今回は仕事の頼み方のコツをお伝えします。仕事ができる人ほど取り入れている方法ですので、ぜひ参考にしてみてください。
頼み方が下手な人がついついやってしまっていること
頼み方のコツをお伝えする前に、なぜ頼みごとをすることが苦手と感じてしまうのかを考えてみましょう。
頼みごとが苦手だと感じる人は、断られたり、拒否されることが嫌だと強く感じています。それは過去に実際に断られた経験が影響している場合もありますが、相手の顔色を伺いすぎて断られる未来を想像している場合もあります。
実際に断られたり、受け入れてもらえたものの、嫌な態度をされたりしたことがある人は、もしかしたら頼み方がまずかったのかもしれません。次に、頼み方が下手な人がやりがちな頼み方をご紹介します。
1.頼む内容が抽象的でぼんやりしている
仕事を頼むときには、その内容を明確に伝えることが大切です。それなのに、「この仕事、〇日ぐらいまでに仕上げておいて」などと、ぼんやりとした指示だけで終わらせている場合には、相手に難色を示される可能性がグッと上がります。
仕事を頼む場合には、できるだけ情報を共有する必要があります。その仕事の目的(なぜ必要なのか)、理由(その人に依頼する理由)・内容(仕事の納期、依頼内容など)が曖昧なままであれば、頼まれた側は命令や指示といった自分の裁量がまったくないものを受けたと認識してしまい、それによってストレスを感じてしまいます。
2.自分本位で頼む
自分本位で仕事を頼んでくる人も頼みごとが下手な人に含まれます。自分本位とは、ここでは相手のスケジュールを確認せずに、自分が頼みたいタイミングで行っていることを指します。
仕事を依頼する場合には、たとえ頼む相手が部下だったとしても配慮は必要です。相手が忙しそうであれば時間を改めるなどの気遣いは忘れてはいけません。
仕事をお願いするときの頼み方のコツ4選
次に仕事をお願いするときに、相手に気持ち良く依頼を引き受けてもらう方法をお伝えします。どれもすぐに実践できるものなので、依頼する機会があれば取り入れてみてください。
1.相手のスケジュールを事前に確認する
頼みごとが下手な人がやってしまっていることでも取り上げましたが、頼みごとをする場合には、自分本位になってしまってはいけません。
あくまでも最優先するのはお願いをする相手のスケジュールです。相手のスケジュールの中で一番負担の少ないタイミングでまず、「今時間は大丈夫ですか?」といったようにお伺いを立てましょう。そこで相手が大丈夫であれば、本題を切り出します。
この方法を取り入れるだけでも相手からの引き受けてもらえる確率は上がります。
2.頼む理由・内容を明確に伝える
こちらも下手な人がしてしまっているところで触れましたが、曖昧な依頼内容では相手は戸惑ってしまいます。
特に仕事では、今わかっている情報(仕事の納期、依頼内容など)をしっかりと伝える必要があります。なぜ必要なのかというと、相手の仕事のモチベーションに関係してくるからです。
この頼まれた仕事はどの目標に関連しているのか、この仕事を受けることでどの部分を担うことになるのかを理解することで、相手は仕事に協力することで得るものが明確となります。それがモチベーションにつながるのです。
3.謙虚な姿勢で依頼、打診する
仕事を頼むときには、命令や指示になってしまってはいけません。「依頼」や「打診」といった謙虚さが大事になります。
命令や指示には、相手が拒否する余地がありません。一方、依頼や打診には相手の判断を受け入れるかどうかといった余地があります。
相手が受け入れるか断るかに関わらず、仕事を頼む場合、相手は自分の仕事の手を一度止めて聞いてくれています。つまり、相手の時間を少なからず奪っているのです。それを忘れてはいけません。
4.指名理由を伝える
相手に気持ち良く依頼を受け入れてもらうためには、「あなただから頼みたい」という理由を添えることが効果的です。
理由には、頼む相手の過去の仕事の実績や、評価されている具体的なポイントに触れるといいでしょう。具体的なポイントを伝えることで、頼まれた側は特別視されていることを感じ、気持ち良く仕事に向き合うことができます。
文・構成/藤野綾子