メルカリ総合研究所研究委員 韓昇勲(ハン スンフン)氏のコメント
日本国内における、不要になった衣料品の処理方法の多くは未だに廃棄が一般的で、1年間に捨てられる衣類の総量は48万トンであることがわかっています。(※7)
一方でフリマアプリの広がり等によって、徐々にリユースへの意識も高まっています。メルカリ総合研究所で今年7月に実施した調査では、フリマアプリを利用する方は「まだ使えるが不要になったモノをごみとして処分する」選択肢をとる人が少ない傾向がある(※8)ことが分かっており、実際に衣料品は「メルカリ」取引全体の約3割(※9)を占める人気カテゴリーとして盛んに売買が行われています。
秋冬は特にアウターの取引が活発になる中、今季はY2Kファッションブームや、ヴィンテージアイテムの人気拡大に伴い、「カーハート」のような老舗ブランドの商品は1ヶ月以内の売却率が高く、売れやすい状況にあります。
今年の衣替えシーズンは、継続する円安・物価高による家計圧迫も追い風に、クローゼットに眠る衣料品は「捨てる」のではなく「売ってお小遣いに」と出品が増加すると推察されます。引き続き、財布にも環境にもやさしい循環型消費がどのような広がりを見せるか、2次流通市場における動向を注視していきたいと思います。
※7: 出典:経済産業省「繊維産業活性化対策調査」
※8: 「2023年度 サステナビリティ関連の意識・行動変容とフリマアプリ利用の相関に関する調査」(2023年7月)
※9:株式会社メルカリ FY2023.4Q 決算説明資料より カテゴリー別シェアのうち、レディース・メンズカテゴリーの合算
関連情報
https://about.mercari.com/
構成/Ara