こんにちは。
弁護士の林 孝匡です。
宇宙イチ分かりやすい法律解説を目指しています。
裁判例をザックリ解説します。
看護師が残業代1000万円を獲得した裁判です。
緊急呼び出しのTEL待ちの時間も労働時間と認定されたからです。
看護師以外の方にも適用されるので【待機時間の給料が出ない】とお悩みの方は特にご覧ください(アルデバラン事件:横浜地裁 R3.2.18)
※ 争いを一部抜粋して簡略化
※ 判決の本質を損なわないよう一部フランクな会話に変換
登場人物
▼ 会社
・居宅介護サービスなどを行う会社
▼ Xさん
・訪問看護ステーションの看護師
・65歳くらい
どんな事件か
Xさんは、およそ2年半でこの会社を去りました(H28.7に入社してH30.12に退社)
そして、未払い給料1000万円超えを請求する訴訟を提起しました。
ーーー なぜ1000万円を超えるような未払いがあったんですか?
Xさん
「私たちの仕事には【緊急看護対応業務】というものがあるんです。これは、入居者に異変が生じた場合に備えて、緊急呼び出し用の携帯電話を常に持ち、入居者や家族などから呼び出しTELがあれば直ちにかけつけ、看護、救急車の手配、医師への連絡などをする必要があったんです。この時間の給料がまったく払われていなかったんです」
休日や深夜などの待機もあり、合計すると長時間となったため1000万円を超えたようです。
ジャッジ
裁判所
「会社は残業代1055万円を払え」
以下、「この待機時間は労働時間だ」「Xさんは管理監督者じゃないから残業代はらえ」について解説します。