プロンプトデザインの利用もおすすめ
効果的なプロンプトを作成するポイントを踏まえた『プロンプトデザイン』というものがあります。効率的にChatGPTに対するプロンプトを作成できるため、利用してみるのもよいでしょう。代表的な二つのプロンプトデザインを、基本的なフレームワークの具体例とともに紹介します。
深津式プロンプト
『深津式プロンプト』は、深津貴之氏(note株式会社CXO、株式会社THE GUILD代表取締役)によって考案されたフレームワークです。質問のたびに立場や条件を変更することでChatGPTへの指示を明確にでき、質の高い回答を得られる特徴があります。
例えば、文章の要約や作成に効果的な基本のフレームワークは、『命令書・制約条件・入力文・出力文』という4項目に分けて入力します。
【例】
#命令書
あなたは優れたライターです。
以下の制約条件と入力文を基に文章を作成してください。
#制約条件
・500字以内
・中学生にも分かりやすい簡潔な文章で
#入力文
温暖化について
#出力
タイトル:
文章:
ReActプロンプト
『ReActプロンプト』は、ユーザーの質問に対し『推論(Thought)→行動(Action)→観察(Observation)』の3ステップで回答を導き出すのが特徴です。推論を踏まえた行動を経て最終的な観察につながっているため、このプロセスを繰り返すことで、より質の高い回答が得られます。
【例】
温暖化を解決する方法を教えてください。
Thought:
Action:
Observation:
最初に得た回答を踏まえて、さらに質問を繰り返すことも可能です。例えば、「上記の内容を踏まえて、日本国内でできる解決策を教えてください」といったフィードバックを返すことで、回答の精度を高めていけるでしょう。
ChatGPTのプロンプトの活用例
ChatGPTはさまざまな分野で活用できますが、具体的にどのような場面が考えられるのでしょうか?主な活用例を四つ紹介します。うまく使いこなせれば、仕事の効率化などに役立つでしょう。
議事録の作成
OpenAI社が開発した音声認識モデルである『Whisper』をChatGPTと併用することで、議事録作成の自動化が可能です。Whisperは音声データを文字データに変換できるツールで、精度の高さに定評があります。
音声から文字にしたデータをChatGPTに入力して議事録の作成を依頼すれば、簡単に作成できます。音声データがあれば可能なので、対面での会議だけでなく、オンラインや電話を用いた会議などでも活用できて便利です。
誰かが時間と手間をかけて議事録を作成する必要がなく、仕事の効率化につながるため、職場で重宝されるでしょう。
文章の要約
文章の要約は、ChatGPTの得意分野の一つです。一から文章を作成するのとは違い、すでにある文章の要約のため、高い精度の仕上がりが期待できます。文字数や表現方式など目的に合った条件を指定することで、満足のいく仕上がりに近づけられるでしょう。
文章の要約は、ニュースの概要を知りたい場合などに便利です。長文の記事をじっくり読む時間がなく、概要や重要なポイントだけを知りたいときにChatGPTに要約してもらうことで、手間をかけずに記事の概要を把握できます。書類や参考文献の内容を要約して、誰かに伝える必要がある場合にも役立つでしょう。
文章の翻訳
ChatGPTは、文章の翻訳にも活用できます。自然言語処理技術により高い精度の翻訳が可能です。英語‐日本語間の翻訳だけではなく、イタリア語・フランス語・ドイツ語・スペイン語・中国語など、多言語に対応しています。
例えば、職場で海外とビジネスメールのやり取りをしたり、外国語の書類を読んだりする機会が多いのであれば、ChatGPTを用いて翻訳することで、自分で翻訳する手間が省けます。知らない単語があっても辞書で確認する必要がないため、読解にかかる時間を大幅に削減できるでしょう。
プログラムのバグの発見
ChatGPTのプロンプトを使ってプログラミングコードを入力すれば、バグを見つけることも可能です。実際にプログラムコードをチェックしてバグを見つける必要がため、時間や手間がかかりません。
またバグを見つけるだけでなく、改善点や修正案の提示を指示することも可能です。改善を行いコードに反映するように依頼すれば、実際に改善された新しいコードが出力されます。メンテナンスしやすいコードや初心者でも扱いやすいコードなど条件を指定すると、状況や目的に合ったコードを手に入れられるでしょう。
ChatGPTを活用することで、自分では思い付かないコードに遭遇でき、新しい発見や学習につながるというメリットもあります。
構成/編集部