「失敗を恐れることも褒めてみよう。否定だけでは人は育たない」
もうここまで書けば、消極的な若手社員に対してどうすればいいのか理解されたかもしれませんね。
相談者のアナタのほうが経験が豊富なわけですから、本人の選択をいったん認めたうえで、リスクやフォロー体制(ダメージ軽減施策)を丁寧に説明し、一緒に体験してあげるなどして、リスクの一部をアナタが請け負う姿勢を見せるといいかもしれません。
「甘やかすな!」と言われるかもしれません。
しかし、今もVTuberとして少年少女と接してきて思うのは、彼らは甘い考えを持っているわけではなく、自己評価が低いゆえに周りに迷惑をかけたくないという思いが強いのです。誰でも最初は初心者なわけですから、ベテラン社会人として多少損な役回りも引き受けて成長を見守ってあげてほしいと思いました。そして、やったら褒める(行為を認める)ことが重要。私たちにとって当たり前にできることだと褒め忘れてしまいがちですが、実は若手への一番の成長剤だったりしますので。
経験が浅いゆえに「リスク・リターン」を見誤ることもあるだろう。若い人はそれを自覚しているので「周りに迷惑をかけたくない」と消極的になっているのかもしれない。
犯罪学教室のかなえ先生
元少年院の先生で、犯罪心理学や教育犯罪学の知見からニュースなどを解説するVTuber。近著に『もしキミが、人を傷つけたなら、傷つけられたなら』。
©夢乃とわ SDイラスト/紀羅わたり
※「教えてかなえ先生」は、雑誌「DIME」で好評連載中。本記事は、DIME11月号に掲載されたものです。
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