キャノーラ油から健康油・サラダ油への買い替えが進む?
購入金額、購入者数、カテゴリ購入金額の変化(2021年5月 vs 2023年5月)
(縦軸:購入金額 横軸:購入人数 円の大きさ:購入金額)
上は各カテゴリの2021年5月と2023年5月の購入金額(縦軸)、購入者数(横軸)、カテゴリ購入金額(円の大きさ)を表したグラフ。各円に青い枠線があるのが2023年、ないのが2021年となっている。
購入人数を見ると、サラダ油、健康油が増加している一方でその他は減少しており、特にキャノーラ油の減少幅が大きくなっている。
購入金額は、サラダ油・健康油で増加しているが、他は減少している。
すでに指摘したようにキャノーラ油とサラダ油・健康油の価格差は縮まってきており、その利用シーンが似ていることから、キャノーラ油からサラダ油・健康油への買い替え、ブランドスイッチが起こっていく可能性が考えられる。
しかし、キャノーラ油からサラダ油・健康油への流出がどの程度あるか確認したところ、現時点では、目立った変化は確認できなかった。
要するに、現段階ではキャノーラ油が大きく買い控えられているという状態だ。しかし、キャノーラ油が価格優位性を失った現状が継続すると、やはりサラダ油・健康油への買い替え、ブランドスイッチが起こる可能性が高まっていくと考えられる。
調査結果まとめ
・価格の上昇と共に購入数量は減少しているが、総購入金額は微増しており、油の市場規模そのものは変化していない。
・油カテゴリ内での価格の上昇幅の差が激しい。キャノーラ油は63.7%増、コーン/ベニバナ油は28%増、一方、サラダ油は-3.9%減。
・各油間の価格差が少なくなっており、日常的に使われる油が入れ替わる可能性。
油カテゴリ全体では、価格の上昇と共に購入数量は減少していますが、平均購入単価の上昇の影響で、カテゴリ全体の購入金額はあまり変化していない。
カテゴリ別で見れば、キャノーラ油の平均購入単価が大きく上昇し、健康油やサラダ油との価格差が縮まった結果、キャノーラ油ユーザーにとっては健康油やサラダ油との価格差が許容できる程度になったことから、ブランドスイッチが起こる可能性が高まっている。
油カテゴリは他に代替できる商品カテゴリが多くないため、油カテゴリ内での競争が激しくなっていくと予想される。
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構成/清水眞希