この数年、消費財や食品など、必需品に近い日用品の値上げが相次いでおり、家計にも大きな影響を及ぼしている。
そこでカタリナマーケティングジャパンは、自社に集積された年間売上10兆円分にも及ぶスーパー・GMS・ドラッグストアの売上データから、値上げと購入金額に関する調査を実施。
今回は、キャノーラ油やオリーブオイルといった「油」カテゴリの購入金額の変化に関するリポートが発表されたので、その概要をお伝えする。
平均購入単価差が縮小、このまま値上げが続けば買い替えが加速する可能性も
平均購入単価変化(2021/05-2023/05比較)
上の表は油類カテゴリの平均購入単価を2021年5月と2023年5月で比較したものだ。キャノーラ油が63.7%と上昇しており、コーン/ベニバナ油が28%と増加している一方で、他のカテゴリは10%前後上昇。サラダ油に関しては-3.9%と平均購入単価が下がっており、カテゴリ間の価格差が小さくなっている。
キャノーラ油との価格差が縮まってきている
2021年5月と2023年5月のキャノーラ油と健康油の価格差は129円から23円、キャノーラ油とサラダ油との価格差は259円から100円に縮まった。
これにより、購入のハードルが下がり、キャノーラ油から健康油へとブランドスイッチが起こる可能性がある。
100gあたりの平均購入単価の変化
以下は平均購入単価の変化を、100gあたりに算出しなおしたものだ。
続いては、油類の購入金額(青色)と購入数量(オレンジ)を2021年5月から2023年5月まで月別で表したグラフになる。
購入金額(百万円:左軸)、購入数量(万個:右軸)
2021年5月と2023年5月の購入金額を比較すると105.1%と市場規模は拡大しているものの、2021年5月と2023年5月の購入数量を比較すると83.3%と減少している。
これは商品の平均購入単価が上昇していることで、購入数量が減っても購入金額は上昇した、ということになるだろう。