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時代の転換期に必要なのは「余白」、三菱地所が有楽町エリアで体現するアジャイルな街づくり

2023.10.18

街の歴史を体現する建物が解体されたら、街はどう生まれ変わるのか――。

2021年7月、三菱地所は有楽町駅前にそびえ立つ「有楽町ビル」と「新有楽町ビル」の建て替えを発表。続いて2022年9月、同じく有楽町エリアにある「国際ビル」と隣接する「帝劇ビル」の共同建て替えを発表した。

これらのビルは多くの大企業のほか、これまで有楽町の街づくりの重要な取り組みとして取材してきたアイデアを形にする会員制ワーキングコミュニティ「SAAI」およびSAAIで生まれたアイデアを試す商業施設「micro」、アーティストを招聘する「YAU」といった拠点も置かれ、有楽町という街を色濃く体現してきた。

有楽町エリアのある時代に幕を下ろすような名残惜しさもある一方で、転換期としての期待も予感させる。これから有楽町はどんな街になっていくのだろうか。三菱地所のプロジェクト開発部 有楽町まちづくり推進室 兼 エリアマネジメント企画部統括の山元夕梨恵さんに、有楽町再構築プロジェクトの構想、根底にある思想について詳しく聞いた。

三菱地所 プロジェクト開発部 有楽町まちづくり推進室 兼エリアマネジメント企画部統括の山元夕梨恵さん

日本有数のビジネス街なのに「余白」がある街

寛容な街は異質なものを共存させる。それが思ってもいなかった面白さの源泉になる。

有楽町にはそんな可能性を内包する「余白」があると表現するのは、三菱地所のプロジェクト開発部 有楽町まちづくり推進室 兼エリアマネジメント企画部統括の山元夕梨恵さん。

「日本有数のビジネス街である大丸有の中で、有楽町はビジネス街でありながら歴史的にみて『敷居の低さ』を持つエリアです。かつて『有楽町で逢いましょう」のキャッチコピーが一世を風靡したように、様々な人が行き交う大衆性もある街。

さらに遡ると、新聞街や劇場街、闇市だった時代もありました。大手町はビジネス街として非常にカチッとしていますし、丸の内は東京の堂々たるセンター。それに比べて、有楽町はどこか緩やかな雰囲気があります。晴海通りを渡れば日比谷が、線路を超えれば銀座が広がっている。

いま有楽町は街としての機能更新の時期を迎えているため、もともと人が動きやすい緩やかな土壌があったところにさらに街としての余白が生まれてきているのです」

そして余白のあるところには、自由が生まれる。山元さんは有楽町の街づくりについて、「自律分散型であり、アジャイルでもある」と話す。

「(有楽町のコミュニティ拠点である)SAAIもmicroもYAUも『自走』しているんです。誰一人、発注・受注するという感覚では動いていない。私たちの役割は、自走してくれる人を見つけて環境を整えることと、それらをつなぎ合わせて街づくりの文脈にのせること。これらのプロジェクトをはじめる少し前から、街側がコンテンツを提示し、それを人々が消費しにくる、という構図には限界があるのではと感じていました。

そこで、各人が能動的に活動できるフィールドであることこそがこの街に来るべき理由となり、ひいては街の個性と魅力に繋がるのではないかと考えて、あえてコントロールしない道を選択したのです。そこから先の展開はアジャイルに。それゆえに、ある意味予測不能なのですが、だからこそ思ってもみない面白いことが起こる可能性があります」

価値をつくるのが先、その後に収益がある

(写真左から)有楽町ビル、新有楽町ビルの外観

そもそもアジャイルとは、綿密な計画立案の前に「まず動く」ことを優先する方針のこと。ソフトウェア開発の分野では、開発途中で仕様の変更や追加が予想されるプロジェクトに向いているとされる。

いま有楽町の街づくりにおいては、それぞれのチームが、多様なプロジェクトを同時多発的に進めながら検証・改善を繰り返し、そこで得た知見を街づくりに生かすことを繰り返す。

しかし「アジャイルな街づくり」と言うは易し。それは「やることをはっきり決めない」街づくりとも言える。意思決定のプロセスを各所に説明しないとミスリードを招きかねない。

にもかかわらず、三菱地所はなぜ、アジャイルであることを選んだのか。

1つは、このプロジェクトが「ビジネスではなく、街づくり」であるから。「何もない土地に突然建物が建つわけじゃない。街として連綿と続いていく時間軸の中で、10年後、20年後、100年後を考えながら今日何をするべきか。街にとって価値あることを手掛けるのが先であり、収益は後からついてくるという考え方が、三菱地所にはあります。私も上司から『順番を間違えないで』と何度も言われたことがあります」と、山元さんは言う。

「遡れば、それは三菱グループの三綱領(所期奉公・処事光明・立業貿易)」の精神につながります。今の言葉に直すと、社会貢献、フェアプレー、グローバル。三菱地所では特に社会貢献に重きを置いていると私は捉えています。丸の内の土地を財源に苦しむ明治政府からの要請に応えて買い取ったときから、丸の内を預かる責任感とこの街が日本を牽引するんだという熱い志がありました。利益追究より社会貢献を優先するDNAが根底にはあるのではないでしょうか。」

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