コストパフォーマンスに優れたスマートフォンを中心に、タブレットやスマートウォッチといったデジタルデバイスを展開するシャオミ(Xiaomi)、というイメージは、今後大きく変わるかもしれません。
2023年9月27日、シャオミ・ジャパンは日本市場に投入する新製品を一挙公開。メーカー定番ともいえるエントリーモデルのスマートフォンやタブレット、スマートウォッチに加え、チューナーレスTVやロボット掃除機が登場。これまで〝スマートフォンメーカー〟として思われていたシャオミが、〝総合家電メーカー〟へと勢力を拡大していく可能性を感じる内容となっていました。
そこで、発表会で明らかになったシャオミ・ジャパンの事業戦略や、新製品の特長をまとめ、シャオミの今後に迫ってみたいと思います。
シャオミは〝ただのスマホメーカー〟じゃない! 空気清浄機や自転車まで幅広く展開
シャオミはコスパに優れたデジタルデバイスを展開するメーカーというイメージが強いかもしれませんが、日本市場においても、すでに加湿器や空気清浄機、体重計といったIoT家電製品を販売しており、グローバルではすでに6億5450万台ものXiaomiデバイスが繋がっているとのこと。
2019年12月に日本市場へと参入したシャオミは、コロナ禍の影響もあり、新製品を発表するオフラインイベントを2020年以降開催していませんでした。そのため主力製品であり、通信キャリアからも販売されているスマートフォンのイメージだけが先行していたかもしれません。
実際、グローバルスマートフォン市場では世界3位のシェアを持つメーカーなので、スマートフォンメーカーというイメージも間違いではありません。
とはいえ、シャオミの製品展開は白物家電だけではなく、中国を中心としたグローバル市場では、電動自転車やEV車の開発まで手掛けるなど、幅広い製品を販売中。スマートフォンメーカー、家電メーカーの枠にとどまらない、〝生活〟に携わる様々な製品を展開しているのが特徴です。
シャオミは、「優れたテクノロジーを誰もが利用できるようにする」ことを命題としており、日本市場においても、今後総合家電メーカーとしての活躍を期しています。
チューナーレスTVはまさかのKDDI独占販売! ロボット掃除機は2万4800円
日本市場へ初投入となるTVは、チューナーレスの「Xiaomi TV A Pro」です。32インチ、43インチ、55インチ、65インチの4サイズ展開となり、販売価格はそれぞれ下記の通りとなっています。
32インチ:3万2780円
43インチ:5万4780円
55インチ:7万6780円
65インチ:10万9780円
本製品最大ともいえるサプライズ(TVを展開するだけでもサプライズではありますが……)が、4サイズ共通でKDDIの独占販売という点でしょう。チューナーレステレビということもあり、一般的なTVと横並びにして、家電量販店に並べるといった売り方が難しいという事情も考えられますが、スマートフォンでパートナーシップを築いてきたKDDIの協力することで、新しい市場へと参入する形となります。
チューナーレスであるため、地上波の受信こそできないものの、Google TVを内蔵しているため、TVerやYouTube、Netflixなど様々なコンテンツの視聴が可能。近年は地上波で放送されている番組も、多くがネット経由で見ることができるため、使い方次第では、十分TVとして活躍できるでしょう。
解像度は4Kに対応しており、12Wのステレオスピーカーを搭載(32インチモデルのみHD表示、10Wステレオスピーカー)。Chromecastにも対応しているため、スマートフォンの画面を無線でミラーリングするといった使い方もできます。スマートフォンとの接続という機能があるからこそ、KDDIで取り扱う意義がある、という見方もできます。
一方、ロボット掃除機の「Xiaomi ロボット掃除機 S10」は、2万4800円という低価格ながら、LDSレーザーナビゲーションを搭載し、周囲360度をスキャンしてのフロアマッピングが可能。床の材質に合わせ、3種類の水の量から調節する、人気の水拭き機能が搭載されています。
もちろん、スマートフォンと連携することで、掃除するタイミングのスケジューリングといった機能も利用可能。スマートフォンシリーズのイメージにもある通り、高いコストパフォーマンスが特徴的な製品です。こちらは、シャオミの公式オンラインストア「mi.com」に加え、Amazon、楽天市場より販売されます。