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ラグビーとよく似ているスポーツ「フッティ」って知ってる?

2023.10.13

オーストラリア「AFL」で注目の若手プロ選手が語る!
フッティの魅力は「非常に激しいぶつかり合い」と「スリリングな展開」

 そんなフッティのオーストラリアのプロリーグ「AFL」(オーストラリアンフットボールリーグ)で、将来有望の若手として注目を集めているのが、オーストラリア人の元フッティ選手だった父と、日本人の母という両親を持つ、ミッチ・オーウェンズ選手(19歳)だ。

オーストラリアのビクトリア州メルボルンに拠点を置く「セントキルダ・フットボールクラブ」(愛称〝セインツ〟)に所属しているミッチ選手は、父・キャメロンさんや、兄からの影響でフッティをはじめたという。

「日本の自動車メーカー・マツダがスポンサーを務めている『ノース・メルボルン』というチームのファンでした。当時はとても強いチームで、スタジアムで観戦することも多かったです。フッティって、選手の肉体がぶつかり合う、と非常に激しいスポーツ。ダイナミックでエキサイティングなんです。それまでに勝っていたチームが逆転されてしまうことも多く、最後まで目が離せません」(ミッチ選手)

 ミッチ選手はフッティの試合中、空中で激しくボールを奪い合うあまり、グラウンドに体を強く打ち付け、意識を10分間失ったこともあるそうだ。

「フッティは、すごく精神力が求められる競技でもあります。ひとつのミスがあると自分をすごく責めてしまい、イライラした状態が続き、疲れてしまうのです。そのため、所属するチームでは、試合前には全員でメディテーションを行なっていて、リラックスを促す呼吸法も取り入れています。〝アイスパス〟といって氷を張ったお風呂に入って筋肉をリカバリーすることも試合後の日課です」(ミッチ選手)

 筆者がオーストラリアの現地で観戦したのは「メルボルン」と「コリンウッド」の両チームによる〝メルボルンダービー〟。ニール・ダニハーという伝説的な元AFL選手が筋委縮性側索硬化症(ALS)に罹患したことに伴う同症治療研究費の募金活動や、現地の有名人が氷水の入ったプールにダイブする〝Big Freeze〟というイベントも兼ねていたこともあり、試合会場となった最大収容10万人規模の「MCG(メルボルン・クリケット・グラウンド)」では、8万3000人以上の観客が詰め掛けた。

 実際にスタジアムで観戦してみると、フッティの激しさを実感。試合当初は「コリンウッド」が序盤は試合を優勢に進めていたものの、第3クォーターの中盤で「メルボルン」が逆転。終盤に「コリンウッド」の猛追を凌いだ「メルボルン」が勝利を収めるという、手に汗握る展開だった。ミッチ選手の言うとおり試合終了まで目が離せず、クライマックスへ向かうに連れて、スタジアムに詰めかけた観客のボルテージが最高潮に! AFLに詳しくなくても熱気が十分に伝わり、勝利したチームのサポーターと思わずハイタッチしそうなテンションになっていた。

 なお、今回フッティを観戦した「MCG」スタジアムではメンバーシップ制度を設けており、会員権を取得していると、同スタジアムで行なわれるイベント(AFL、クリケット、ラグビーなど)への優先権を獲得できることになっている。フッティの熱狂的なファンも多いことから、同メンバーシップの会員権を取得するまでには、なんと20年待ちという状況! そのため、例えば子供が生まれた時に申請しておき、成人になった時の記念として同メンバーシップの会員権をプレゼントする……といったこともあるとか。

 ちなみに、AFLチームのメンバーシップは会員費を払えば、誰でも参加可能。チームの会員は、ホームまたはアウェーのスタジアムにかかわらず、どの試合にも参加することができるそうだ。

 AFLのシーズンが開催されているのは、毎年3月から9月まで。10万人を収容する「MCG」をはじめ、現地のスタジアムでの観戦は一見の価値アリだ! 2024年以降、オーストラリアへの旅を検討する際には計画に入れてみてはいかがだろうか。チケットの料金は、大人ひとり当たり25 ~80オーストラリアドル(約2300~7630円)ほど。

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