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新型iPhone 15とApple Watch 9に込められたアップルの真意を深読み!

2023.10.13

Apple Watch Series 9はハードよりもソフト面の進化に注目

房野氏:Apple Watch Series 9はいかがですか?

石野氏:見た目だけだと、新型と旧型との区別がつかないですよね(笑)

石川氏:中身のチップが変わって、ジェスチャー操作が追加された。あのジェスチャーって、「Vision Pro」に搭載されているものと同じです。そう考えると、Vision Proは、ユーザーインターフェースが繋がっていて、同じ操作性になっている。AirPods ProのUSB-Cモデルも、H2チップとVision Proが繋がって、ロスレス再生ができるようになっています。いろんな技術が連携していて、アップルの世界観がVision Proと繋がっているなと感じました。

「Vision Pro」

USB-C充電機能を搭載した「AirPods Pro(第2世代)」(右)

石野氏:AirPods ProのUSB-Cモデルって、名前はLightningモデルと変わらず「AirPods Pro(第2世代)」なのに、中身が結構違う。2.5世代とかにすればよかったのに。

石川氏:家電量販店とかを見ても、AirPods Pro(第2世代)と表記されていて、LightningモデルかUSB-Cモデルを選ぶようになっています。明らかに中身が違うのに、わかりにくいよね。ちょっと説明が足りない。

石野氏:充電ケースが変わっただけに見えちゃいますよね。

法林氏:Apple Watchに話を戻すと、本体というよりはOSだけど、操作性が結構変わった。アプリ一覧のドット表示がわかりにくいということに、ようやく気が付いたみたい(笑)

石野氏:フリックで文字盤が変わるのもなくなりましたね。

法林氏:文字盤の変更は長押しになった。

房野氏:アップル以外は、大体そうですよね。

法林氏:そうだね。自分たちの考えるユーザーインターフェースが必ずしもユーザーにとってベストではないことに気が付いたかな。ただ、既存のユーザーにとっては、操作がかなり変わるので、困っちゃうよね。

ただ、実はウォッチこそが、iPhone縛り、アップ縛りになる要因なので、頑張らないといけない。Apple Watchは、Androidと繋がらないからね。一方で、例えばサムスンやファーウェイ、シャオミなどのスマートウォッチやスマートバンドは、ほとんどの製品がiPhoneともAndroidスマートフォンともつながる。Apple Watchをしっかり強化しないと、ユーザーが離れていってしまうということは、アップルもよくわかっていると思います。

石野氏:ハードウエア的には、あくまで時計なので、そこまで毎年変わるものでもないですかね。

法林氏:ここまで積み上げてきたものがあるからね。UIが変わったのは、ちょっと唐突だったけど、ハードウエア的に大きく変わるわけではない。あと、Apple Watchは、四角いボディ(ケース)の周りにいろいろ飾り付けるっていう文化が、ここ数年で定着してきたから、買い替え時期が延びるかもね。

石野氏:あと、環境への配慮として、レザーバンドがなくなりますね。レザーをなめすのに水をかなり使うので、それがよくないとのことです。ラグジュアリーブランドなどのレザー製品ならまだいいとして、アップルが作るとなると、数が多すぎて、自ら掲げた指標をクリアできなくなってしまう。

法林氏:アフターマーケットに任せる、くらいのいい方をしてもいいよね。

石野氏:まあ、実際はそういうことになりますよね。欲しい人はエルメスに行けばいい。

房野氏:Apple Watchユーザーの中には、付属のバンドをもう同梱しなくていいという人もいますよね。

石野氏:ただ、Apple Watchを買う人のうち、3分の2は新規ユーザーみたいなので、バンドはまだ付けないといけません。バンドの同梱はやめたいという意見もあるみたいですけどね。

法林氏:現実的に考えると、バンドが付いていない腕時計なんてないからね。

石川氏:そもそも、毎年Apple Watchを買い替える人はほとんどいませんから。3年くらい使っていれば、バンドもへたってくるので、新しいバンドが欲しくなるのが普通です。

法林氏:あと、安いサードパーティ製のバンドを使うと、皮膚がかぶれてしまう人もいる。純正のクオリティの高さは大事なので、継続するべきですね。

……続く!

次回は、中国でのiPhone禁止騒動とフランスでのiPhone 12の電磁波疑惑について会議する予定です。ご期待ください。

法林岳之(ほうりん・ たかゆき)
Web媒体や雑誌などを中心に、スマートフォンや携帯電話、パソコンなど、デジタル関連製品のレビュー記事、ビギナー向けの解説記事などを執筆。解説書などの著書も多数。携帯業界のご意見番。

石川 温(いしかわ・つつむ)
日経ホーム出版社(現日経BP社)に入社後、2003年に独立。国内キャリアやメーカーだけでなく、グーグルやアップルなども取材。NHK Eテレ「趣味どきっ! はじめてのスマホ」で講師役で出演。メルマガ「スマホで業界新聞(月額540円)」を発行中。

石野純也(いしの・じゅんや)
慶應義塾大学卒業後、宝島社に入社。独立後はケータイジャーナリスト/ライターとして幅広い媒体で活躍。『ケータイチルドレン』(ソフトバンク新書)、『1時間でわかるらくらくホン』(毎日新聞社)など著書多数。

房野麻子(ふさの・あさこ)
出版社にて携帯電話雑誌の編集に携わった後、2002年からフリーランスライターとして独立。携帯業界で数少ない女性ライターとして、女性目線のモバイル端末紹介を中心に、雑誌やWeb媒体で執筆活動を行う。

構成/中馬幹弘
文/佐藤文彦

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