スペースXとテスラの互換性に注目
スペースXは現在、再利用可能なロケット技術を駆使した高速長距離移動システムの開発に取り組み、地球上の輸送手段に革命をもたらすことを目指しています。
この目標を達成するために、SpaceXは「Hyperloop輸送システム」を開発しています。
このシステムは、最大時速760 mph(約1220 km/h)で人や貨物を安全に輸送するために設計されています。Hyperloopは現在テスト段階にあり、さまざまなコンポーネントのテストが行われ、着実に成功しています。
また電気自動車メーカーのテスラは、SpaceXのHyperloopプロジェクトの主要な協力パートナーとなっており、バッテリー技術と電気モーターの専門知識を提供しています。
テスラの貢献により、SpaceXは完全に電気で駆動されるHyperloopの推進システムを開発でき、現行の輸送システムよりも効率的で環境に優しいシステムを構築しています。
両社はさらに、Hyperloop車両で使用できる高度な自動操縦システムの開発にも協力しており、将来的には安全で快適な移動が自動運転で実現される見込みです。
このように、SpaceXとテスラの連携は、運送業界に革命をもたらす可能性があります。
両社の専門知識を結集し、より速く、効率的で環境に優しい輸送システムを構築する試みは、将来的に世界中の人々の移動方法に劇的な変化をもたらす可能性が高いのです。
おわりに 日本人に足りないものはSF的ビジョン
イーロンは、自身の創造性とビジョンに影響を与えた作家として、SF作家のアイザック・アシモフやダグラス・アダムスの作品を挙げています。これらのSF小説には、卓越した個人と革新的なテクノロジーが伴って既存の枠組みを超える物語が描かれており、イーロンのビジネス上の意思決定にもこうした発想が影響を与えているといわれます。
仮にSF的ビジョンを未来社会の在り方そのものを創造することだと仮定するならば、日本人に足りないものは、世界を変えるようなSF的なインスピレーションかもしれません。
なぜなら、既存のテクノロジーを組み合わせる従来のイノベーション的な発想と、誰も見たことがないような世界を一変させる革新的な発想は全く異なる領域だからです。
また今後の日本社会において、新たなビジョンを描くことができる人材をどのように育成していくのか、そのヒントや課題をイーロン・マスクの生き方から得られるのではないでしょうか。
文/鈴木林太郎
https://www.tesla.com/
https://www.spacex.com/
https://evdays.tepco.co.jp/entry/2021/09/28/000020