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内定をもらった社員が飲み会でメガトン級の大暴れ、「内定の取消し」を巡る裁判の行方はいかに!?

2023.10.13

こんにちは。

弁護士の林 孝匡です。

宇宙イチ分かりやすい法律解説を目指しています。

【内定をもらった社員が飲み会で大暴れ】裁判を解説します。

酔っ払って以下のメガトン粗相を。


・ほかの社員を「こいつら」「オマエ」と呼ぶ。
・さらに「やくざ」「反社会的な人間に見える」などの暴言
・上司となる社員のことを呼び捨て


記憶がなくなるほど飲んだようです…。後日、会社はこの社員の内定を取り消しました。社員は「内定の取消しは違法だ」と提訴。

ーーー 裁判所さん、どうですか?

裁判所
「今回は内定の取消しOK!」

内定の取消しってゲキムズなんですけど、社員がヤバすぎたのでOKになりました。

以下、分かりやすくお届けします(兼松アドバンス・マテリアルズ事件:東京地裁 R4.9.21)

※ 争いを一部抜粋して簡略化
※ 判決の本質を損なわないよう一部フランクな会話に変換

登場人物

▼ 会社

・金属材料の輸出や販売を行う会社

▼ Xさん

・支店の営業部として内定をもらうが
・3ヶ月後に取り消される

どんな事件か

▼ 面接

6.4 面接

ーーー 会社さん、このときのXさんにヤバさは感じられなかったんですか?

会社
「はい。面接のときの受け答えには問題はありませんでした。商社で勤務経験や、営業職とし経験も十分であると判断して内定の通知を出しました」

Xさんは面接からわずか2日後に内定をもらいました。10.1から勤務開始予定でした。

▼ 懇親会で大そそう!

9.7 Xさんの歓迎会がありました。お酒が進んだようで3次会まで開催されました。そこでXさんが以下のそそうを。


初対面の社員を「こいつら」「オマエ」と呼ぶ。
さらに「やくざ」「反社会的な人間に見える」などの暴言
上司となる社員のことを呼び捨て、など


Xさんは記憶があいまいになるくらい飲んでいたようです。

▼ やってもた!

ってことでしょう。翌日、Xさんは社員の方に電話しました。

Xさん
「昨日の記憶がありません。私は何をしたのでしょうか」

社員
「言わなくてもいいようなことを言ってましたよ」

Xさんは支店長のTEL番号を聞いてTELをし、謝罪。しかし、時すでに遅し。

▼ 内定の取消し

懇親会から1週間後、Xさんは内定を取消されました。

Xさんが提訴 

Xさんは提訴。主張は以下のとおりです。

・「内定の取消しは違法だ。
・私は社員だ(地位確認請求といいます)
・判決確定までの給料を払ってほしい

ジャッジ

裁判所
「内定の取消しはOK!」

▼ ヤクザ発言

裁判所
「以下の言動は、従業員同士の協調に反し職場の秩序を乱す悪質なものだ」


・社員を呼び捨てにしたこと
・社員を指して「やくざ」「反社会的な人間に見える」


あと、Xさんは、入社理由について「ついでに受けただけ。たまたま採用までのスピードが早かったから入社することにした」とも話してしまったんです。イランこと言わんでいいのに。お酒ってコワイですよね。

▼ 自己中発言

Xさんは、飲み会でこんなことも言っちゃってます。

Xさん
「自分が10億円の買い物をしたいと言った場合、許可してくれますよね」
「10億じゃなくても1億ならOKですかね」
「とにかく自分はデカイことをやることしか考えていない」

社員
「社内のルールを守ることが重要です」

Xさん
「会社方針が自分の考えと異なる場合、自分のやり方を通す。そんなの当然の話」

社員
「会社のルールを無視してでもやりたいことを貫き通すつもりですか?」

Xさん
「当たり前じゃないですか」

ーーー 裁判所さん、いかがですか?

裁判所
「従業員に求められる基本的な姿勢を欠く」

ですよね。

▼ お酒が入っていたんだす

ーーー Xさん、何か言いたげですが

Xさん
「アルコールの影響下にあったんです…」

裁判所
「営業職は会食の場でもコミュニケーション能力や礼節が求められる。アルコール飲酒下であったとしても関係ない」

即、撃沈です。

というわけで内定の取消しがOKとなりました。内定って【契約】なので取り消すのがゲキムズなんですが今回は社員がヤバすぎたのでOKとなりました。【内定がチョー強ぇぇ】ことは以下の記事をご覧ください。

「内定取り消し」はほぼ違法、入社前の研修に参加する義務はない、就活生も覚えておきたい労働関連の法律

こんにちは。 弁護士の林 孝匡です。 宇宙イチ分かりやすい法律解説を目指しています。 就職活動をしてた方はそろそろ内定式という方が多いですよね。と同時に「もし内...

▼ ほかにもナメた行動を

以下、おまけです。

Xさんは一次会でもナメた行動をしてました。【社員さんの肩に手をのせて、それを支えに立ち上がって】いたんです。ただこれは裁判所は「アウトとはいえない」と判断しています。

なぜなら、社員の陳述書に「Xさんなりのコミュニケーションの取り方と思ったので特段注意しなかった」と書かれていたからです。これがもし陳述書に「ナメた野郎だと思いました」と書かれていれば裁判所もアウト要素の1つとして取り上げてくれたと思います。完全にナメた行動ですから。

だって、先輩裁判官も懇親会で同じことをされたらキレると思うんです。新人の裁判官がトイレに行くときに自分の肩に手をのせてそれを支えに立ち上がったら、死刑にすると思うんです(できねーよ)

今回は以上です。「こんな解説してほしいな〜」があれば下記URLからポストして下さい。また次の記事でお会いしましょう!

取材・文/林 孝匡(弁護士)
【ムズイ法律を、おもしろく】がモットー。コンテンツ作成が専門の弁護士です。
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