価格はほぼ同じでも、性格が全く異なる2台
トヨタ『クラウン クロスオーバー』
エンジンルーム
ガソリンエンジンは直4、2.4Lターボをフロントに搭載。モーターは、前輪用に1基、後輪用に1基を搭載しており、駆動力を制御する。
運転席と各種装備
インパネは一体化されているわけではない。中央部の12.3インチパネルもいずれは一体化される見込み。助手席も独立している。
シートスペース
前席はやや高めのポジションだが、後席はやや低めに設計し頭上のスペースを生んでいる。斜め後ろの視界も良好で、室内も明るい。
ラゲージスペース
奥行き、左右幅ともに1m以上あり、高さも51cmあるので容量は大きい。後席の背もたれは固定式でアームレストスルーを備えている。
【 ココがポイント!】コンパクトに集約された操作系スイッチ
6速ATのシフトノブはコンソール前部に備わる。シフトはR/N/D-MでPはプッシュ式ボタン。ドライブモードは6種類あり、あらゆる路面で安定した走行を楽しめるよう設定できる。
【 ココがポイント!】見た目も印象的な大径サイズのタイヤ
これまで18インチを標準タイヤとしてきたトヨタだが、『クラウン クロスオーバー』は18、19、21インチを装着。試乗車は225/45ZR21サイズを装着しており、乗り心地もよかった。
レクサス『NX350h』
エンジンルーム
「350h」はハイブリッド、「450」は100%EV、「350/250」は直4のガソリンエンジンという組み合わせ。「350h」はFFと4WDが選べる。
運転席と各種装備
中央モニターとメーター部分が分離しているインパネ。センターコンソールは助手席側に一体となるデザインを採用している。
シートスペース
内装は4色から選べる。後席の居住空間は着座を低めにして頭上の空間を稼いでいる。背もたれは4対6で可倒する。
ラゲージスペース
荷室内のスイッチで後席の背もたれは倒せるだけでなく、引き起こすこともできる。サブトランクも荷室の手前に設けられている。
【 ココがポイント!】コックピットのような運転席の空間づくり
ドライビングの楽しさをユーザーに体感させるために、センターパネルを運転席側に向けて設置している。この思想は初代から変わることなく、継承され続けている。
【 ココがポイント!】ドライブモードの操作スイッチが移動
レクサスはドライブモードの選択ダイヤルをメーターカバーの横に配してきたが、次世代モデルのひとつの象徴として、センターコンソールの上部に移した。
個性を重視するなら『クラウン』、完成度を重視するなら『NX』
トヨタ『クラウン クロスオーバー』
[運動性能]21インチのミシュラン製タイヤと6種類のドライブモードで楽しめる範囲は広がった。加速もハイレベル。18点
[居住性]クーペスタイルだが想像以上に室内は広く感じる。クロスオーバーを謳っているのに後席が倒れないのは不満。17点
[装備の充実度]ハイブリッドモデルなのに、試乗時の実走燃費がカタログ値の3分の2レベルにとどまっているのは残念だった。18点
[デザイン]「クラウンが新しくなった」というメッセージは伝わった。グローバルのデザイントレンドも採り入れている。19点
[爽快感]どちらかというと、アッパーミドルのスポーツサルーンという印象。クロスオーバーならもう少し遊び心が欲しい。18点
[評価点数]90点
レクサス『NX350h』
[運動性能]今年3月の改良で前後のサスペンション剛性が向上、走りの質を高めるクルマ造りの姿勢は評価できる。19点
[居住性]電動で操作する前後席の背もたれは上級車らしい動きをするだけでなく、座り心地も使い勝手もいい。18点
[装備の充実度]タッチセンサーの多角的運用や先進安全性の積極的な展開など、レクサスの次世代モデルということが伝わる。19点
[デザイン]各モデルがもう少し個性を打ち出したほうがおもしろいかもしれないが最近のドイツ車のトレンドを踏襲している。17点
[爽快感]大きすぎないボディーに、レベル以上のパワーユニットを搭載。軽快さこそ感じなかったが安定感はあった。18点
[評価点数]91点
取材・文/石川真禧照
※本記事内に記載されている商品やサービスの価格は2023年8月31日時点のもので変更になる場合があります。ご了承ください。