睡眠インストラクターが解説!睡眠の質は就寝時に身に付けるもので左右される
10月を迎えて暑さもようやく落ち着き、秋の到来を感じさせる日も増えてきた。この時期は日没も早くなるため、眠りやすい時期と言われているが、就寝環境が整っていないと眠りも浅く、睡眠の質も良くないと言われている。
そこで重要となってくるのが、実は睡眠に適した服装だという。グンゼから同社・睡眠改善インストラクターの濵田毅彦氏監修による関連リポートが届いたので、その概要を紹介したい。
T シャツやスウェット、ジャージは睡眠時には体のストレスとなる場合も
眠るときは過ごしやすいT シャツやスウェット、ジャージという人も多いかもしれないが、体はむしろ寝苦しさを感じているもしれない。
例えばスウェットは部屋着として作られているので睡眠時にはおすすめできない。袖口や裾口などは、ゴムがきつく、就寝時の長時間にわたって着用していると、寝苦しさを感じる原因にもなってしまうからだ。
また、フードのついたパーカーの場合、フード部分が首元にまとわりつき、首などに負担やストレスを与え、寝返りの妨げになる。
ジャージは生地特有のごわごわとした肌触りが眠りづらく、就寝時に着用するのはおすすめできない。
一方、パジャマの素材で採用されている高級シルク生地は、下記グラフが示すように、吸放湿性が高いとされる綿100%ガーゼ素材と比べて吸湿性が約20%高く、また一般的な綿100%と比べて生地の厚みは約7割薄く、通気性も約2倍ある。
パジャマで睡眠する5つのメリット
1.吸湿性
人間は就寝中に汗をかきやすい性質を持っている。これは就寝後に汗をかくことによって体温を調整。その結果、深い眠りにつくことができるのだ。
しかし、吸湿性の低い衣服を着た場合、衣服と肌の間に汗が溜まり、肌がべた付いて寝苦しさの原因になってしまう。これに対して綿や麻は感触もサラサラとして通気性も良いため、就寝中も涼やかで、快適な眠りをサポートしてくれる。
2.保温性
冬場には、体温を外に逃がさない保温性も重要になる。冬に合わせた、程よい厚みのパジャマを着て就寝することで、保温効果も高くなり、寝冷えを防いでくれる。
3.形、締め付け
パジャマは体を締め付けないように、ゆとりが生まれる作りになっている。首元や胸元がゆったりと開いている形のものを選べば、息苦しさの心配もなく、通気性も高く、また腕や足まわりにもゆとりがあると、快適な眠りに繋がる。
4.寝返り
人間は就寝時、1 日20 回前後寝返りを打つといわれている。パジャマは姿勢の変化や寝返りがしやすいよう、生地に伸縮性があるため、どんな向きで寝てもストレスなく寝返りを打てるようになっている。これが身体をリラックスさせ、睡眠の質を向上させるのだ。
5.スリープセレモニー
4項目についてパジャマの機能性について言及してきたが、実はパジャマを着ること自体が眠りを暗示させる効果があるとも言われている。
一日の終わりにパジャマを着用して脳のスイッチを睡眠モードに切り替えることで、リラックスして就寝できるというわけだ。
構成/清水眞希