投資や経済の本質・楽しさを伝えたい〜金融教育のワークショップを行う理由
レオス・キャピタルワークスに、金融教育のワークショップにまつわる背景やねらいなどを聞いたところ、広報部 仲岡由麗江氏は次のように回答する。
●金融教育ワークショップを開催する理由
―金融サービスを提供する企業として、子ども向けに金融教育ワークショップなどを開催する理由を教えてください。
「日本では『投資』に対してネガティブなイメージが根強くあり、『損をする』『リスクが高い』『怖い』『むずかしい』という印象を持つ方が多いのが現状です。一方で昨年、高校の授業で資産形成が必修化され、高校生のみならず、幅広い世代の金融教育の重要性も認識されつつあります。当社はお客様からの資産をお預かりして、成長企業に投資をする資産運用会社です。そして、ファイナンシャル・インクルージョン(金融包摂)、すべての人が金融サービスの恩恵が受けられるゆたかな社会の実現を目指しています。投資信託という商品を通じて、本当の意味での投資についての理解を促進し、『投資文化の醸成』に取り組んでいます。金融教育を通じて、投資や経済の本質・楽しさを直接お伝えして参りたいと考えております」
●金融教育の本質を伝えるために
―民間企業があえて提供する金融教育の場ではどのようなことを教えたいとお考えですか?
「様々な企業が誕生して成長し、社会をゆたかにしていく過程を、投資を通じて見つめている私たちだからこそ、伝えたい思いがあります。投資がなければ社会が停滞してしまいます。投資は応援であり、投資を通じて社会や世の中とのつながりを実感していただきたいとも考えています。
金融教育の本質は、人生とは・働く意味や会社とは何か、そして自分と社会のつながりを考えることであると考えています。投資と同じく、日本人は世界と比較しても会社への信頼度が低く仕事嫌いであるといわれています。私たちは『働くことは素敵なこと』『一人一人が未来をつくり、社会を変えられる存在なのだ』ということを伝えたいと思っています」
投資や起業を考えられる大人に育つには?
親としては、できるだけ早期に金融教育を子どもに受けさせておきたいと考えることもあるだろう。特に資産形成においては投資が重要になってくるといわれる。また、今後は個人が自ら起業するなどして生き抜く力も求められている。
投資や起業も将来の選択肢として考えられる大人になるために、親は何を教えていけばいいだろうか。仲岡氏に意見を聞いた。
「ChatGPTなど生成型AIの出現を受け、世の中は大きなパラダイムシフトが起きています。これからの時代に求められる人材とは、答えを出せる人ではなく、問いを立てられる人だと考えています。
問いを立てられるイノベーターは『社会の穴』、つまり社会課題を見つけることができます。多くの人が慣れてしまって『仕方ない』と諦めていた穴の存在に気付き、どうすればその穴を埋められるかを考え続けます。その穴を埋めることで付加価値を創出し、仲間とともに楽しいこともつらいことも乗り越えていく。そしてその結果が、会社の株価や収益として反映されていきます。身近なことから社会の穴を見つける目、そして仲間と困難を乗り越えていく達成感と楽しさを、ぜひ幼少期から養っていただければと思います。
困りごとに気付き、解決すべく徹底的に考え、実現する力、それが答えのない時代を生き抜く力となり、また、物事の本質や社会の成り立ちがわかるようになることから、自立心も養われるのではないでしょうか」
金融教育という枠を超えて、子どもにはどんな大人になってほしいか。そうした広い視点を持ちながら、子どもにとって最適な教育を選ぶことが必要になってくるだろう。
【参考】
泉大津市「自治体初!株式会社HONEYTHINGとの連携協定を締結(令和4年2月17日)」
一般社団法人日本こどもの生き抜く力育成協会「キッズ・マネー・スクールの開催依頼、昨対比145%に 4歳から始める子供向け金融教育の需要がさらに加速中」
レオス・キャピタルワークス【金融教育イベントレポート】高校生と考える、自分の「ありかも」な未来 どんな人にお金が集まる?」
文/石原亜香利