「本当にいい会社」だけが生き残る時代へ
――今後、企業における採用はどう変化していくと予想されますか?
今瀧さん:企業はよりフラットに、そしてホワイト化していくと考えています。一言で言えば「いい会社だけが生き残る」という状態です。企業がSNSやYouTubeを活用するようになり、フォロワー数や再生数、つまり人気度が可視化されてきていますよね。今までは広告で補えていた部分が、ある意味フラットになります。これらも志望者にとっても判断基準の一つになるでしょう。
もう一つが、離職者に対するケアの部分。転職市場はずっと増加していますが、今後もその流れは続くでしょう。そんな状況下では、ますます「離職者の声」が公開されていくと思うんです。そういった情報に触れられるサイトも盛り上がりを見せていますし、「離職理由がネガティブなものなのか、ポジティブなものなのか」「副業OKとしていても、実際にできているのか」など、本当の声に触れる機会が増えていくと思います。
Z世代は人口が逆ピラミッドになっているので、どうしても人の取り合いが生まれてしまいます。だからこそ、そうした情報がオープンになっていくことで「本当にいい会社じゃないと生き残れないのではないか」というのが僕の考えです。
――なるほど、本当に働きやすい良い会社だけが選ばれるようになっていくと。
今瀧さん:弊社の場合、実はリファラル採用(※)が多いんです。60名のメンバーのうち、40~50人ほどがリファラル採用ですね。メンバーが自分の働く環境がいいと思ったら、勝手に人を呼んでくれるんです。だからこそ、採用に力を入れるというより、メンバーの満足度を上げることの方が、結果的によい採用につながるのではないかとも思います。
※リファラル採用:社内外の信頼できる人脈(友人・知人)を介した採用活動・採用手法 。
――それぞれの企業が、独自の採用方法を用意していくことも重要になりそうですね。今後、「サウナ採用」以外でユニークな採用を取り入れていく予定はありますか?
今瀧さん:そうですね、実はサウナ採用以外にも今年の春は「お花見採用」をしました。弊社に興味を持っている志望者とフットサルをすることもありますね。こうした機会は、会社の空気感を知る場になっていると思います。あとは、僕が尊敬している「面白法人カヤック」という会社があるんですが、そこでは「エイプリルフール採用」をしています。それを真似させていただいて、4月1〜15日に嘘の履歴書を提出してもらう採用も行いました。
今後は、その人にしかない強みを見る「オンリーワン採用」をやってみたいですね。ナンバーワンじゃなくても「これは自分にしかない」というオンリーワンを活かせるシーンは数多くあると思うので。
あとは、「海外採用」もさらに増やしていきたいです。すでにメンバーの10%ほどは海外で仕事をしています。中には世界一周をしながら働いているメンバーもいますね。そうしたフレキシブルな働き方ができる会社であることも弊社の強みなので、今後も積極的に海外採用をしていきたいです。
取材・文/久我裕紀