ここ数年、企業における採用活動が大きな変化を見せている。コロナ禍における採用環境の厳しさに加え、個人の価値観が多様化していることもその要因だろう。
リクルートみらいの就活研究所が発表している『就職白書 2023』によれば、職務限定型採用(ジョブ型採用)の導入や一律初任給の見直しなど、企業はこれまで画一的だった人事施策を多様化さていることがわかる。この動きは今後、さらに加速化していくかもしれない。
本稿ではまず、近年増加している「スカウト・オファー型採用」「ジョブ型採用」「ユニーク採用」の大きな3つの潮流の特徴を解説。その上で、実際にユニーク採用(「サウナ採用」)を行う、僕と私と株式会社 CEO 今瀧 健登さんに伺った、企業における採用活動の変化とユニーク採用を取り入れた経緯などについてのお話を紹介する。
企業における3つの採用スタイル
スカウト・オファー型の採用
就職情報サイトなどに学生が登録しているプロフィールや自分の強み、経験などの情報を企業が見た上で、個別に説明会・インターンシップ・選考への案内を直接送る仕組み。学生からの応募を待つのではなく、積極的に企業が声掛けを行う。
自社にフィットする人材に対し、直接アプローチできる点が最大のメリット。また、スタートアップなど、知名度の低い企業においては採用広報的な役割も担っている。
ジョブ型採用
あらかじめ職務内容やポストが決められており、その職務を全うする能力があると認められれば採用される仕組み。日本においても、この考え方を取り入れる企業が増加傾向にある(※)。
職務内容や範囲、必要な能力が合意されてはじめて雇用契約が結ばれるため、入社後にそれ以外の職務を担当することはない。働き手としてのメリットは、専門性を活かせること、自身が入社後に就くことになる職務や勤務地などについて入社前から把握できることだ。企業側には、専門性を持った即戦力人材を採用できる点が挙げられる。
※厚生労働省資料「経済社会構造の変化と新しい時代の働き方」
ユニーク採用
他の企業とは一線を画す、自社独自の採用方法を取り入れる企業も増えている。例えば、本稿でも紹介する、Z世代マーケを専業にする僕と私と株式会社では、代表と一緒にサウナに行ってコミュニケーションを取り、希望者に対してはその後に面談を行う「サウナ採用」を取り入れている。〝その企業らしさ〟や、社内の雰囲気を伝えるのに適した方法だ。