トレーディングカード、いわゆる「トレカ」と聞くと@DIME読者は何を思い浮かべるだろうか?
ポケモンや遊戯王が有名かと思うが、40〜50代にはカルビー「プロ野球チップス」にオマケとして付いていたプロ野球選手カードを思い出す人も多いはず。筆者は『絶好調!中畑清』のカードばかり出た記憶が今も脳裏にこびりついている。あれも言ってみればトレカだ。
最近ではスポーツ選手はもちろん、アニメ、アイドルなど幅広いジャンルのトレカが発売され、一部のレアカードは高値で売買されることも。それだけ活発化しているトレカ市場だが、実はその市場規模が凄いことになっていた。
日本玩具協会の発表によると、2022年度の日本国内における玩具市場規模は9,525億円。現在の形で調査を始めた2001年度以来、過去最高を記録。
過去最高を更新した最大の要因は、前年度比132.2%、金額にして572億円伸ばした「カードゲーム・トレーディングカード」の躍進にあるという。
大きく伸びた「ポケモンカードゲーム」 に加え、新規参入の「ONE PIECEカードゲーム」も好調。来年、発売25周年を迎える「遊戯王OCG」の売り上げも良好だったとか。
引用:日本玩具協会
今や、おもちゃ業界に欠かせないトレカの存在。ゲーム要素のないトレカも人気が根強く、最近では意外なジャンルの「トレカ」も続々誕生している。
その中から今回取り上げるのは、コレだ!
鍛え上げられた肉体に裸エプロンがとてつもないインパクトを放つ、若干暑苦しいほどの魅惑のトレカ。
しかし、一切ふざけていない。青森県産水産物のPR活動をしている「青森県農林水産部水産局水産振興課」が真剣に作った、真面目なトレーディングカードなのだ。
この「漁師カード」は3年前からSNSなどでジワジワと世間に知れ渡り、魅惑のカードと共に青森の漁業活性化、認知度に一役買っているという。
このカードを参考に、農家のトレーディングカード「農カード」を製作する農カードプロジェクトが立ち上げられるなど、第一次産業の新たな挑戦が話題だ。
参考・画像:https://www.atpress.ne.jp/news/242019
今回、「漁師カード」を手がけている青森県農林水産部水産局水産振興課の伊勢田さんに誕生の経緯、カード製作秘話を聞いた。
–漁師カード誕生の経緯を教えてください
「元々は青森県の水産物をPRする事業『あおもりの肴』で上半身裸の漁師さんをモデルにしたポスターを作ったのが始まりです。当時、オーストラリアの筋肉モリモリの消防士が上半身裸のユニフォーム姿で映っているカレンダーをヒントに始めました」
「そのポスターを水産物販売イベントや解体ショーの際に掲示していたところ、主に女性のお客様から譲ってほしいとリクエストがあり、配布しやすいカードサイズにしてお渡ししたことがきっかけです」
–トレカの反響は?
「多数のメディアに取り上げていただいたことで、漁師さんはもちろん、彼らが獲ってくる青森県の水産物にも興味を持ってもらえるようになりましたね。この漁師カードを目当てに魚を買いに来てくれる女性や家族連れも増えています」