苦しい漁業の現状…「青森といえば魚」を目指して
青森県の水産物をPRする事業『あおもりの肴』は、2017年度から庁内のベンチャー制度によって始まった。
漁師カード製作以外にも、マグロやミズダコの解体ショーやクックパッド、フェイスブックによる情報発信、食品スーパーでの直接販売などを精力的に行っている。
それも全ては、地元青森の漁業を応援するためだ。
「現状、地元漁業は大変苦しい状況にあります。青森県の主力魚種であるスルメイカやサケ、サバなどの不漁が続き、また、就業者の高齢化や後継者不足に加え、燃油や漁業用資材等の価格高騰など、非常に厳しい状況に直面しています」
「また、コロナ禍による需要の落ち込みにより、 一部の魚種では市場価格が低下したことも。県では資源管理を着実に推進するほか、増養殖をはじめとした「つくり育てる漁業」への転換を進めるとともに、若者世代に対し県産水産物の消費拡大を進めていくための取組を行っています」
当然、知らないままではいつまで経っても応援できない。漁業の現状、魚の魅力を伝えるための取っ掛かりとして、この漁師カードは大きな役割を果たしているのではないだろうか。
最後に今後の展望を聞いた。
「漁師カードをきっかけに「青森といえば魚」というイメージが全国へ浸透していけば良いと考えています。また、「あおもりの肴」公式インスタグラム(@aomorinosakana)を今年5月より開始しています。その中で漁師カードの漁師さんや青森県の水産物の紹介などを行い、さらに情報発信にも力を入れていきたいと考えています」
取材協力
青森県農林水産部水産局水産振興課
文/太田ポーシャ