これまでにないオフロードEV走行、他のEVとの違いは音?
ELECTRICモードで走る。「ラングラー」はパートタイム4WDなので、街中ではサブミッションは「2H」を選択する。走り出しの重さ感はない。アクセル・オンで瞬時に2350kgの車体は動き出す。加速も決して鈍重ではない。試しに0→100km/hの加速を計測してみると、7秒台だった。ガソリン2.0ℓターボの「ラングラー」と同じレベルだ。ちなみに、ガソリンの2.0ℓターボは1950kgなので、その差は400kgもあるのに、加速タイムが同じというのは、モーターのトルクの重さと、EVの立ち上がりの鋭さが理由だ。
「ラングラー」が、他のEVと違うのは、音。EVの走行というとスタートから軽いモーターや駆動系の音はあるが、無音に近い。ところが「ラングラーEV」は違う。走り出しからミッション、タイヤノイズなどの音がガンガン侵入してくる。
モーターの電気がなくなり、エンジンがかかっても、エンジン回転計を見ていなければわからないほど、EV走行もにぎやかなのだ。タイヤがBFグッドリッチの「マッドテレインT/A、255/75R17というブロックの大きなオフロードタイヤということもあるが、とにかく走行中に「ラングラーEV」はノイジーなのだ。
99%の充電量が21%にまで減少したところで、自宅の200V電源で、充電を実施してみる。プラグを挿し込んで充電開始。満充電まで4時間27分の表示。総電力量が15.46kWhなので、200Vでの満充電もあまり時間がかからない。
EVとしての使い方だが、オフロード走行を行うなら、その前に走行中に充電をしながら走り、e-SAVEモードを使ってオフロードまで走る。オフロード走行になったらEVモードに切り替えると、これまでにないオフロードEV走行が楽しめるはずだ。
オフロードでのアクセル・オンでのリニアなトルク伝達は、思いのままの加速でオフロードを走ることができる。回生ブレーキも使えるし、新しい体験を楽しませてくれるはずだ。EVモードで100km/hでも走行できる実力も秘めている。しかも電気なのに渡河性能は水深約76cmと、ガソリン車と同等だ。すべての高電圧電子部品はシーリング加工や防水処理が施されているのだ。
「ラングラー・アンリミテッド・ルビコン4Xe」こそ、最強の「ラングラー」なのかもしれない。
■関連情報
https://www.jeep-japan.com/wrangler-jl/wrangler-4xe.html
文/石川真禧照 撮影/荻原文博