働き方改革により残業して成果を上げることよりも、生産性を上げる方が評価される時代へ変化する中、今年の4月に月60時間を超える残業の割増賃金率が50%以上に引き上げられる法改正が行われた。
また昨今では、違法な長時間労働や残業代未払いがトラブルに発展するケースが多発している状況から不当残業の増加も懸念されている。このような中、社会人の残業に対する意識はどのように変化しているのだろうか。
そこでJob総研では、796人の社会人男女を対象に終業時間の意識と実際のタイミング、コロナ以前と比較した残業時間の増減、そしてサボり残業の経験有無及びサボり残業による自身への影響と賛否などを調査した「2023年 残業に関する実態調査」を実施した。
全体の72.4%が「定時終業を意識」するも実際は60.9%が定時終業
回答者全体の796人に終業の意識を聞くと、「定時上がりを意識している派」が72.4%と過半数を占め、内訳は「かなり定時上がりを意識している」29.4%、「定時上がりを意識している」21.9%、「どちらかといえば定時上がりを意識している」21.1%となった。
年代別の回答では20代の「定時上がりを意識している派」が76.6%で最多となり、次いで40代が72.5%、50代が69.9%、30代が68.3%と、若手の次に中堅層の意識が高い結果に。
続いて実際の終業タイミングを聞くと「定時に終業派」が60.9%と過半数を占め、内訳は「必ず定時に終業」16.3%、「定時に終業」25.5%、「どちらかといえば定時に終業」19.1%となった。
年代別の回答では20代の「定時に終業」が67.2%で最多となり、次いで40代が60.0%、30代が57.5%、50代が50.8%と、若手層の終業時間が早いことが判明。
定時で終業すると回答した485人にその理由を聞くと「会社から定時上がりを推奨されている」が50.1%で最多となり、次いで「プライベートの時間を充実させたい」が38.6%、「効率のいい働き方を心がけている」が29.7%と続いた。
一方、定時で終業していないと回答した311人にその理由を聞くと「残業しなければ終わらない仕事量がある」が64.3%で最多となり、「定時に上がれない雰囲気がある」が21.5%、「仕事を任せられる人がいない」が18.3%となった。