記者と担当編集が使ってわかった仕事に役立つおすすめプロンプト
ジャーナリスト・西田宗千佳さんと編集・タジリがBardを試して実感した、仕事で重宝するプロンプト(質問文)を紹介しよう。
仕事で使いこなす時のコツ
【1】具体的な指示を出す
【2】裏取りをきちんと取る
【3】機密情報は入力しない
西田 Bardを仕事で利用する場合には、正直言って「質問に対して正しい回答を提示してくれる相手」とは、決して考えないほうがいいでしょう。
タジリ 確かに。生成された回答を調べてみると、年数や数字が間違っていることもありますから(苦笑)。けれど「新NISAとNISAの違いをわかりやすく解説して」という質問に対して、表組みで見比べやすくまとめてくれるなど、便利に感じるところもたくさんありますよね。
西田 あくまでも相談したことに対して「なめらかな日本語で答えてくれる相手」として考えるなら、かなり優秀。〝アイデアを壁打ちする〟にはうってつけです。
タジリ 「〇〇に類似したタイトル案を挙げて」という感じで質問すると、思いもよらない候補をいくつも提案してくれます。頭の中が凝り固まって新しいアイデアが出ない時には頼れる存在だと思います。
西田 Bardは「フォーマットに合わせて書き換える」のも得意。箇条書きの文書を「提案資料」「企画書」などのビジネス文書に書き換えてもらえるのは便利です。
タジリ Bardが書き換えた文章は、整えなくてもそのまま使えそうなほど、なめらかなものばかり。それを〝叩き台〟として活用することで、資料作成にかかる時間を大幅に短縮できます。ちなみに、これまでに挙げたような用途でBardを使う場合に、コツなどはありますか?
西田 「3つの候補を同時に出す」といった指示を入れるといいでしょう。アイデアへの返答も、企画書の叩き台も、それぞれ3つのパターンを提案してくれます。「他の回答案」も同時に生成されるので、様々な視点の回答を眺めながら目的に合うものを選んで利用するといいでしょう。正確なひとつの答えを求めるのではなく「発想を広げる」「新しい視点を得る」のには、Bardはピッタリの存在です。
「このアイデアはどうですか?」「アドバイスをください」のように聞くと、参考になるコメントを返してくれる。その際、冒頭で「あなたは~です」と設定し、感想を聞きたい相手に〝なりきってもらう〟と、回答がより的確になりやすい。
「以下を企画書に書き直して」という文から書き出し、企画書の要素となるテーマや提案相手なども記入すればOK。企画書の〝叩き台(草稿)〟が出来上がる。一から作成するのに比べて短時間で済むが、内容の正誤チェックは忘れずに。
実在の施設や料金に関して、意外と正確な回答を提示するのが「ChatGPT」との大きな違いだ。イベントを開催する会場の候補について聞いてみると、指定した人数が収まるスペースを提案。複数の回答から1時間当たりの費用の相場感もわかる。
Bardは様々な言語で書かれた膨大な情報を学習しているので「以下を英語で書き直して」といった翻訳もお手のもの。対応言語の中では英語が一番得意で、海外とのビジネスで不可欠な英会話スキルの向上にも役立てられる。
仕事用のPCに不具合が発生した時にもBardが役立つ。例えば、社内ネットワークに自分のノートPCが接続できない時はトラブルシューティングとして複数の解決方法を瞬時に提示。回答結果を順番に試すことでトラブルの解消に近づく。
取材・文/西田宗千佳、編集部
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