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最低賃金改定後に最も時給が安くなる職種、3位調理1056円、2位警備1052円、1位は?

2023.09.25

毎年10月に行われる最低賃金の改定。令和5年(2023年)は、全国平均が初めて1000円を超え、1004円(加重平均)となった。引き上げ幅も前年を更新して過去最大となっている。そんな今回の最低賃金の改定は中小企業にどのような影響を与えるのか。

採用業務クラウド「採用係長」を提供するネットオンは、「採用係長」の登録ユーザーである中小企業の人事・採用担当者を対象に、最低賃金引き上げに関するアンケート調査を実施。回答結果をグラフにまとめて発表した。

63.3%の事業所が「賃金を引き上げる予定」と回答

はじめに、最低賃金の改定による賃上げ予定について質問した(n=210)。

もっとも多かった回答は、「最低賃金を下回ったため、賃金を引き上げる予定」(40.9%)。「最低賃金を下回っていないが、賃金を引き上げる予定」の事業所も含めると、全体で63.3%が賃上げを予定していることがわかった。

賃金を引き上げる事業所の割合は、2022年9月に実施した前回調査(引き上げ予定 42.2%/有効回答数 258)から21.1ポイント増加している。

引き上げ理由は「最低賃金の引き上げに対応するため」が最多

Q1で「賃金を引き上げる予定」と回答した事業所へ理由について質問したところ(n=133)、「最低賃金の引き上げに対応するため」がもっとも多く、70.7%が回答した。

一方で、約3割は「従業員の定着率向上(引き留め)のため」「人材採用を有利に進めるため」に賃上げを実施。「業績が回復した(伸びた)ため」はわずか3.0%であり、大半の事業所が業績に関わらず賃金を引き上げることがわかる。

90.2%が引き上げ後の最低賃金額を「負担に感じる」

続いて「賃金を引き上げる予定」の事業所へ、引き上げ後の最低賃金額に負担を感じるかどうかについて質問したところ(n=133)、「非常に負担に感じている」事業所が過半数を占めた。

全体の90.2%が最低賃金額を負担に感じている(「非常に負担に感じている」+「多少負担に感じている」)と回答している。

また過半数が「非常に負担に感じている」ことからも、中小企業の経営に及ぼす影響の大きさを示しているといえるだろう。

もっとも賃金が低くなるのは「介護・福祉」職の平均時給1028円

すべての事業所へ、最低賃金の引き上げによってもっとも賃金が低くなる職種と、その賃金(時給換算)について質問した(n=192)。

その結果、引き上げ後(10月1日時点)にもっとも賃金が低くなる職種は「介護・福祉」職で、平均時給は1028円だった。

多くの事業所が経営悪化を懸念。パート従業員の確保に追われる事業所も

最低賃金の引き上げに関する意見や感想を求めたところ、人件費の上昇による経営悪化の懸念や、扶養内で働く従業員の労働時間減少に伴う課題などを中心に回答が集まった。

最低賃金の引き上げに対する意見

・今の物価高騰に必要な事だと思います(農林・漁業/~4名/東京都)
・正社員、その他の社員、パートで最低賃金は別にしてもらいたい(教育/~4名/東京都)
・大手と中小で基準を変えるなどの柔軟な対応が必要(そのほか生活関連サービス/20~29名/東京都)
・どんどん最低賃金が上がり、雇う側も即戦力を求めざる負えない状況では、働きたくても働けない方が増えると思います(飲食/5~9名/埼玉県)
・引き上げるなら、法人税引下げ等の対策が欲しい(飲食/100~199名/埼玉県)

経営悪化に対する懸念

・賃金引き上げ自体は非常に良いことだと思います。しかしながら建設業界全体に言えることだけど工事単価の引き上げもしてもらわないと、耐えられない会社さんも沢山出て来ると思う(建築・不動産/5~9名/福岡県)
・入ってくる分が増えないから人件費がかさみ経営にひびく(介護・福祉/10~19名/兵庫県)
・全体的に賃金上昇はとても良い事ですが、それに伴って社会保険料も上がっていくのが会社としては痛いです(運輸/50~99名/広島県)
・最低賃金を上げるのは賛成だが、受注金額や材料費高騰に対する施策も併せて行わないと疲弊するばかりだと思う(警備/10~19名/広島県)
・物価高騰、公共料金やガソリン、社会保険料などに加えて賃金を上げることで会社の負担がさらに増加し、経営が苦しい(介護・福祉/5~9名/茨城県)

調査結果まとめ

今回は2023年10月に行われる最低賃金の引き上げに対するアンケート調査を実施。その結果、63.3%の事業所が「引き上げる予定」であることがわかった。

そのうち、「最低賃金を下回ったため、賃金を引き上げる」と回答した事業所は6割以上(全体の40.9%)。中小企業の約4割が最低賃金をベースに賃金設定を行っていることも明らかになっている。また今回の引き上げを「負担に感じている」事業所は90.2%に達した。

賃上げに対する意見(自由回答)では、賃上げの必要性を理解する回答がみられた一方で、原材料費等の高騰が続いていることや、それらが売価に転嫁できていない中での賃上げについて「経営を圧迫する」「このままでは雇用の継続が厳しい」という回答が並んだ。

賃金の引き上げは経営への直接的な影響だけでなく、扶養内での就労を希望する従業員の就労時間調整に伴う人手不足や、社会保険の負担増など間接的な影響も少なくない。

さらに現政権は、2030年代半ばまでに平均時給1500円への引き上げを目標として掲げることを表明しており、賃上げ幅のさらなる拡大が予想されまる。それらへの対応のために、「時給に見合った人材を雇用したい」という意見も散見された。

今後の最低賃金の引き上げを踏まえ、採用方針を見直す中小企業が増加することも想定として考えられる。

調査概要
調査期間/2023年8月17日(木)~8月31日(木)
調査方法/インターネット調査
調査対象/「採用係長」利用事業所の人事・労務担当者様
有効回答数/210

関連情報
https://neton.co.jp/

構成/清水眞希

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