Excelでは小数点以下を切り捨てて表示することが可能だ。小数点以下の切り捨てを行えば作業が効率化でき、計算ミスの軽減にもつながるだろう。
本記事では、Excelで関数を使って、あるいは手動で小数点以下を切り捨てる方法を解説する。
ROUNDDOWN関数を使用する方法
Exelで小数点以下を切り捨てられる関数は複数あるが、最も利用されているのがROUNDDOWN関数である。
引数も2つしかないため簡単に計算することができる。ROUNDDOWN関数について以下に解説する。
- ROUNDDOWN関数とは
- ROUNDDOWN関数の入力方法
1.ROUNDDOWN関数とは
ROUNDDOWN関数は、指定した桁数で切り捨てることができる関数である。
第二引数である桁数に0を指定すると、数値は最も近い整数として切り捨てられ、桁数に正の数を指定すると小数点より右側で切り捨て、負の数を指定すると小数点より左側で切り捨てる。
2.ROUNDDOWN関数の入力方法
ROUNDDOWN関数の構文と引数は、次の通り。
=ROUNDDOWN(数値,桁数)
- 「数値」:切り捨てしたい数値またはセルの位置を指定
- 「桁数」:切り捨てしたい桁数を指定
「=ROUNDDOWN(12345.6789,2)」で数値、桁数を指定し、Enterで確定する。
桁数を「2」で指定したため、少数第2位で切り捨てが行われた。
それぞれの桁数の切り捨て結果は下の図の通り。
ROUNDDOWN関数の第一引数(数値)と第二引数(桁数)は下の図のように、それぞれ該当のセルあるいは数字を入れて作成することができる。
Excelで切り捨てに使える関数は、上記で紹介したROUNDDOWN関数以外にも用意されている。以下に解説するので、目的に応じた関数を利用するとよい。
INT関数を使用する方法
消費税計算のように単純に小数点以下を切り捨てしたい場合など、INT関数を使えば簡単に整数値を求められる。
ここでは、INT関数の基本的な書式と機能について紹介する。
- INT関数とは
- INT関数の入力方法
1.INT関数とは
INT関数は指定した数値の小数点以下を切り捨て、元の数字を超えない最大の整数を返す
関数である。
INT関数では切り捨て桁数が決まっているため、ROUNDDOWN の構文にあるような、「桁数」を指定する必要はない。
2.INT関数の入力方法
INT関数の構文は次の通り。
⁼INT(数値)
- 数値:小数点以下を切り捨てて整数にしたい数値を指定
「=INT(A2)」で数値を指定し、Enterで確定する。
これで、小数点以下が切り捨てられ、整数が表示された。
負の数の場合も「⁼INT(A3)」で数値を指定し、Enterで確定する。
INT関数では、対象の数値が負の数(マイナスの数)の場合は注意が必要である。セルA3
(-1234.56)をそのまま切り捨てると「-1234」になる。しかし、これでは元の数字である
(-1234.56)より大きい数字となる。
INT関数は、元の数字を超えない最大の整数を返す関数であるため、セルB3は-1235となる。
対象の数値が負の数の場合は、ゼロから離れた値に丸められると考えると良い。