免許更新の手続きが簡略・迅速化
もしもマイナンバーカードと運転免許証の一体化が実現した場合、どのようなメリットが発生するのだろうか。
最も大きいのは「住所変更・免許更新の簡略化」だろう。今までは地元の免許センターに行かないとできなかった作業が、その時に居住している地域の自治体窓口で実施することができる。
「免許更新の際は講習を受けなければならないから、どのみち免許センターに行かなければならないのでは?」と言われそうだが、実は必ずしもそうではない。講習区分が優良もしくは一般の運転者であれば、オンラインで講習に臨める仕組みが既に整備されているのだ。
現在、免許証の更新をされる優良運転者の利便性の向上等を図るため、北海道、千葉県、京都府、及び山口県でオンライン優良運転者講習モデル事業が試行的に実施されていますが、令和5年10月2日から優良運転者に加え、一般運転者もオンライン講習が受講できるようになります。なお、優良運転者は、一部システム停止時間を除き、引き続きオンライン講習を受講することができます。
(運転免許オンライン更新時講習モデル事業-千葉県警)
が、初回更新者と違反運転者の場合は引き続き免許センターで2時間の講習を受ける必要がある。言い換えれば、これは安全運転に対する「ご褒美」だ。
法整備はこれから
マイナンバーカードと運転免許証の一体化、そしてその先の「運転免許証のスマホ搭載」の話になると、まだまだ不透明な部分が多い。
たとえば、運転免許証の機能をスマホに搭載するということは、スマホを所持していない状態で車を運転すればそれは「運転免許不携帯」になってしまうのか?
そのあたりのことは、まだ不確定である。システムの整備もそうだが、法整備も今後は必須の過程となる。
マイナンバーカードが我々の生活に必要不可欠なものとなる日は、決して遠くないだろう。
【参考】
マイナンバー制度及び国と地方のデジタル基盤抜本改善ワーキンググループ-内閣府
https://www.kantei.go.jp/jp/99_suga/actions/202012/11kaizen_wg.html
マイナンバーカード交付状況について-総務省
https://www.soumu.go.jp/kojinbango_card/kofujokyo.html
第4回デジタル社会推進会議-デジタル庁
https://www.digital.go.jp/councils/social-promotion/38606249-07b3-4176-a538-58e0c64a488a
運転免許オンライン更新時講習モデル事業-千葉県警
https://www.police.pref.chiba.jp/cmencen/online_training.html
取材・文/澤田真一