PayPayは海外で利用できるのか?
もし、普段日本国内で使っているQRコード決済アプリがそのまま海外で利用できたら、これ以上便利なことはない。仮に日本国内で日本円を使って残高チャージし、それをアメリカの実店舗で米ドル決済できたら……を考えると、便利過ぎてもはや両替所など潰れてしまうのではと邪推してしまう。
が、早々に結論を書けばPayPayを海外で利用することができない。ただ、そうなるための下準備はされているらしく、現時点では「海外のQRコード決済サービスでPayPayのコードを読み取る」ということが可能である。
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海外旅行で現金を持ち歩く「危険性」
海外旅行とお金。これは有史以来の「人類の苦悩」である。
国外の旅先で現金や、換金可能の貴金属が盗まれてしまったらどうするか。もちろん、最初からそれを目当てに横暴を働く者もいる。そういう輩から旅先の路銀を防衛するために、トーマス・クック旅行社が世界初のトラベラーズチェックを発行した。
このトーマス・クックは、アガサ・クリスティーのミステリー小説にも出てくる老舗旅行会社である。トーマス・クックと提携している金融機関であれば、トラベラーズチェックを現金にすることができた。19世紀当時、これは革新的な仕組みだった。
21世紀も中葉に差しかかろうとしている現在、かつてのトーマス・クックの座をかけた競争がますます激化している。
今年6月、PayPayがこのようなプレスリリースを配信した。
PayPay株式会社は、2023年6月15日より、キャッシュレス決済サービス「PayPay」を導入する加盟店のうち「Alipay+(アリペイプラス)」を利用する店舗において、タイの「TrueMoney」、マレーシアの「Touch ‘n Go eWallet」、フィリピンの「GCash」「HelloMoney by AUB」、での決済が可能になりましたのでお知らせします。これにより、すでに連携をしている中国本土の「Alipay」、香港の「AlipayHK」、韓国の「Kakao Pay」を含む、いずれかのサービスを利用する延べ10億人以上のユーザーは日本に訪れた際に、PayPay加盟店に設置されているQRコードから飲食やお土産代、宿泊費などの決済ができるようになりました。
(PayPay、新たに3カ国4つの海外キャッシュレス決済サービスと連携。「Alipay+」経由で延べ10億人以上が利用可能に!-PayPay)
つまり、アジア各国のQRコード決済サービスでPayPayのコードを読み取ることができるというわけだ。