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高ストレス者判定率が高い業種、3位卸売・小売、2位宿泊・飲食サービス、1位は?

2023.09.21

「上司からのサポート」で最も健康リスクが高い業種は「運輸業、郵便業」

総合健康リスクを算出する2つ目の指標「上司・同僚からのサポート」リスクとは、職場の上司や同僚とのコミュニケーションがストレスに及ぼす影響を示している。

一般に仕事量が多く、裁量権が少ない職場でも上司や同僚からのサポートが得やすい職場はリスク数値が良好傾向にあり、逆に仕事量が少なく、自分のやり方で仕事を進められても、上司や同僚からのサポートが得られにくい職場はリスク数値が不良傾向となる。

「上司・同僚からのサポート」のうち、「上司からのサポート」リスクを業種ごとにランキング化したものが、「表7 業種別・上司からのサポートランキング」だ。

表7

表7は、数値が小さくなるほど「上司からのサポートが少ない」を意味し、ストレスチェック設問のうち、次の3問への回答から導出する。

47. 次の人たちはどのくらい気軽に話ができますか?/上司
50. あなたが困った時、次の人たちはどのくらい頼りになりますか?/上司
53. あなたの個人的な問題を相談したら、次の人たちはどのくらいきいてくれますか?/上司

 1位は2020年度、2021年度に続き「運輸業、郵便業」、2位「製造業」、3位「医療、福祉」となった。

「同僚からのサポート」で最も健康リスクが高い業種も「運輸業、郵便業」

次に「上司・同僚からのサポート」のうち、「同僚からのサポート」リスクを業種ごとにランキング化したものが、「表8 業種別・同僚からのサポートランキング」だ。

表8

表8は、数値が小さいほど「同僚からのサポートが少ない」を意味し、ストレスチェック設問のうち、次の3問への回答から導出する。

48. 次の人たちはどのくらい気軽に話ができますか?/同僚
51. あなたが困った時、次の人たちはどのくらい頼りになりますか?/同僚
54. あなたの個人的な問題を相談したら、次の人たちはどのくらいきいてくれますか?/同僚

「上司からのサポート」と同様、1位は「運輸業、郵便業」、2位は「製造業」となった。3位には「学術研究、専門・技術サービス業」が続く。

「運輸業、郵便業」は3年連続1位、「製造業」は2年連続2位となっており、トラックやバス、タクシー運転手や配達業務など、業務を1人で担うケースや、製造工程での品質管理や安全上の問題からコミュニケーションをとることが難しい状況であることが考えられる。

調査結果まとめ

以上のように、「製造業」が高ストレス者率と総合健康リスクともに最も高い業種でした。「製造業」においては業務を1人で担うケースがあることや、業種特性上、コミュニケーションをとることが難しい状況であるためと考えられる。

また、オフィスワークと異なり立ち仕事であることや、扱う製品によって温度や騒音などの物理的な作業環境によるストレスから、疲労感やイライラ感などの身体的な負担につながっている可能性もある。こうした点が高ストレス者率などに表れているのではないかと考えられる。

この「製造業」のように、負荷がかかりやすいポイントやストレスの傾向は、業務上の特性が大きく関わっているため、業種ごとに異なる結果が見られた。

業種を問わず大切にしていただきたいのは、業務の特性上、結果が不良であったとしても、決して諦め感を抱かないことだ。

業務特性や傾向を理解したうえで、「改善できるポイントはあるか?」という視点をもち、自社の実態に即した職場環境の把握と改善に取り組んでいただきたい。

調査概要
調査期間/2022年4月1日~2023年3月31日
調査対象/ドクタートラスト・ストレスチェック実施サービス 2022年度契約企業・団体の一部
企業・団体数/1162
有効受検者数/41万352人

関連情報
https://doctor-trust.co.jp/

構成/清水眞希

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