近年、日本でも資産形成や資産運用をする代表的な投資手法として、インデックスファンドへの投資が人気となっています。
そこで今回はインデックスファンドとは何か、またインデックスファンドの生みの親であるジョン・ボーグルの投資哲学について解説していきます。
インデックスファンドとは
そもそもインデックスファンドとは、市場全体の動向を反映する代表的な指数に連動して成績を追求するための投資信託のことです。ここでいう「インデックス」とは、市場全体や特定のセクターのパフォーマンスを示す基準を指し、一方で「ファンド」とは、これらの指数に従ってポートフォリオを構築し、運用する投資信託を指します。これらの投資信託は、積極的な運用を行わずに市場の平均的な収益を目指すため、しばしば「パッシブファンド」とも呼ばれます。
投資において、ベンチマーク(目安)となるインデックスは多岐にわたり、株価指数としては日経平均やS&P500株価指数、ナスダックなどが代表的な指数です。
そのほかにも債券指数、不動産投資信託(リート)指数、コモディティ指数などが存在します。
こうした人気のインデックスファンドを最初に作った人物こそ、ジョン・ボーグルなのです。
ジョン・ボーグルが設立したバンガード
バンガードは、1975年にジョン・ボーグルが米ペンシルバニア州で設立した世界最大級の資産運用会社です。
このバンガード社が1976年にはじめて個人向けのインデックス型投信の販売を開始しました。
販売当初は「平均的な成績しかとれない投信が売れるわけない」と厳しい声が多く、「ボーグルの愚行」とまで批判されていました。
今では信じられないことかもしれませんが、市場平均以上のリターンを狙ったアクティブ型の大半が長期投資ではインデックスのような市場平均に負けやすいことが知られたのは、ずいぶんあとのことなのです。
バンガードのETFは低コスト
バンガードのETFの特徴は低コストであることです。
コストを最小限に抑えることは、投資家にとって非常に重要な要素です。
実際、高い手数料や管理報酬を支払うことは、投資リターンに対して直接的な負担となります。
そのため、低コストの投資商品を選ぶことは、将来のリターンを最大化するための重要な戦略といえるでしょう。
一般的に、投資商品のコストは、経費率(管理報酬)、売買手数料、およびその他の運用コストで構成されます。バンガードETFの平均経費率が0.07%であるように、低コストの商品を選択することで、これらのコストを大幅に削減できます。
業界の平均経費率が0.27%(2018年末時点)に対して、3分の1以下の経費率であることは、投資家にとって貴重な資産を節約し、リターンを最適化する手助けとなるでしょう。
(※経費率とは、ファンドの平均資産残高に対する運用、その他の経費の比率(%)を指します。原則として毎年決算日に見直され、変動します。)
また、コストを最小限に抑えることは、投資を長期的に持続させることにも役立ちます。
高いコストを支払うことは、投資の収益を減少させ、将来の成長の妨げとなり得るからです。
低コストの商品を選択することで、資産をより効率的に運用し、投資の持続可能性を高めることができるといえるでしょう。
こうしてバンガードは、全ての投資家に対して公平で、最適な投資機会を提供する使命のもと、世界中の2,000万人以上の投資家向けに、400本以上のファンドを提供するほどの成長を遂げたのです。