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今では一般的な投資手法「インデックスファンド」を生んだ、ジョン・ボーグルの投資哲学

2023.09.27

ジョン・ボーグルの投資格言

・長期投資について

「時間は友だ。衝動は敵だ。」

個人投資家にとって、最も有力な武器の一つは時間かもしれません。分散されたポートフォリオにじっくりと時間をかけ、着実に積み立てていくことで、最終的に市場のリターンを享受できる可能性が高まります。ただし、この長い道のりには、市場がさまざまな局面を経験することが予想されます。その都度、感情的に売買を行ってしまうことは、結果的に長期的なリターンを放棄してしまう危険性があります。

ボーグルは長期投資における要点を非常にわかりやすく表現しています。

・分散投資について

「干し草の山の中から1本の針を見つけ出そうとするな。 干し草の山自体を買え。」

干し草とは、すなわち株式市場全体のことで、低コストのインデックス・ファンドを利用すればそれが可能である、ということです。

株式市場には多岐にわたる銘柄が存在し、その中から大幅な上昇を果たす銘柄を見つけることは非常に難しく、容易ではありません。むしろ、すべての銘柄を取得し、それらを長期間保有する戦略のほうが優れているかもしれません。

このアイデアは、市場全体を干し草に例え、そのなかの「当たり」の銘柄を針にたとえた表現です。ジョン・ボーグルの「すべてを少しずつ保有する」アプローチが最も際立っている言葉ともいえるでしょう。

・投信業界について

「投信業界は、ある意味魔術の上に築かれている。」

以前(そして現在もかもしれません)の投資業界では、専門のファンドマネージャーが市場で優れたパフォーマンスを示すであろうと考えられる株式を選び、それを組み込んでポートフォリオを構築し、投資家はそのファンドに高額の手数料を支払うことが一般的でした。

しかし、ジョン・ボーグルは、投資家が高額な手数料を支払ってまでファンドを購入すること自体が無意味だと考えていました。彼は、市場の動向を予測できるという前提の下、高額の手数料が正当化されるこの業界が、実際には「魔法」に依存しているいう哲学を持っていました。

皆さんのポートフォリオは、このような魔法に依存している可能性があるかもしれません。

・投資手法について

「長期に渡って株式市場を幅広く保有することは勝者のゲームだ。 一方、株式市場を上回ろうとすることは敗者のゲームである。 これは常識だ。」

株式市場は基本的にはゼロサムゲームであり、1人が成功すれば、別の人が損失を被ることになります。市場の平均リターンと比較して優れた成績を持続させることは非常に難しいことです。(これは「敗者のゲーム」と呼ばれます)。しかし、株式市場全体を長期にわたって幅広く分散して保有することで、市場全体のリターンを享受することができます(これは「勝者のゲーム」と呼ばれます)。興味深いことに、ボーグルの言葉はこの事実を指摘し、「常識」であるべきであるにもかかわらず、実際には、高リターンを狙って失敗する投資家が多いのも事実です。

・規律について

「とにかく株式市場を全部買え。一旦株を買ったら、 株式市場というカジノからは離れて、そのまま放っておきなさい。市場全体が入っているポートフォリオを永遠に持てば良い。インデックス・ファンドの役目は、まさにそれだ。この投資哲学はシンプルで洗練もされている上に、 ベースとなる数式は否定のしようがない。 しかし、この規律を守ることは簡単ではない。」

この言葉は、市場全体への分散投資と長期的な視点を重視し、感情に左右されない冷静な戦略が、投資の成功につながるというジョン・ボーグルの投資哲学を表現しています。

市民であることを大切にした生き方

ジョン・ボーグルは投資家であり、慈善家でもありました。

市民活動として、教育や公共問題に取り組み、米国の憲法に関するミュージアム「米国憲法センター」における評議員会の名誉会長を務めたこともあります。

特に第2の故郷であるフィラデルフィアをこよなく愛し、市民として積極的な役割を果たし、ビジネスやマネーだけなく、人生について「足るを知る」生き方を実践した人物ともいえるでしょう。ここにジョン・ボーグルの哲学が現れているのではないでしょうか。

おわりに 世界一の投資家ウォーレン・バフェットも賞賛していた

かつて、バフェットはジョン・ボーグルについてこんな言葉をのこしています。

「ボーグルは私にとって、そして多くの個人投資家にとって英雄です。個人投資家のために最も貢献した人物の彫像が建てられるならば、ジョン・ボーグルであるべきです」

このように最大級の賛辞を贈っています。

個人投資家にとって、ジョン・ボーグルの普遍的な投資哲学は大いに役立つのではないでしょうか。

今回はインデックスファンドの父「ジョン・ボーグル」について解説させて頂きました。

文/鈴木林太郎

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