ChatGPTを面白いことを言わせるためのツールとして活用しようという、多分開発者の思いを無視した悪ふざけを提唱する短期連載も今回が4回目。
発売中の書籍『もしChatGPTが文豪や○○としてカップ焼きそばの作り方などを書いたら』の企画・プロデュース・構成・編集担当した石黒謙吾氏とともにあれこれ書いてきた連載の最終回となる今回は、書籍から惜しくも漏れたネタやニュースなどにからんだ質問をChatGPTに聞いてみます。
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まずはこちらから。
質問1
■村上龍が『ノルウェイの森』」のAmazonレビューを書いたら
■村上春樹が『限りなく透明に近いブルー』」のAmazonレビューを書いたら
【ChatGPT回答】
■村上龍が『ノルウェイの森』」のAmazonレビューを書いたら
この小説は、私の青春時代に非常に深い影響を与えた作品である。登場人物たちが抱える葛藤や苦しみ、そして愛や友情について描かれた物語は、人生において大きなヒントを与えてくれるものだ。
特に主人公のトオルが、自分の中に秘めた感情を抑え込んで生きる姿に共感を覚えた。彼の内面の葛藤は、自分自身の苦しみとしても重なり合う部分があり、読んでいるうちに彼のように生きることに対して勇気をもらった。
また、小説の舞台となる1980年代の日本の風景や音楽、文化なども鮮やかに描かれており、私たちの青春時代を懐かしませてくれる。
この小説は、青春という名の痛みや葛藤を描いた傑作である。誰もが一度は読むべき作品だと思う。
■村上春樹が『限りなく透明に近いブルー』」のAmazonレビューを書いたら
この小説は、私が好む作風の一つである「都市生活と孤独」を描いたものです。登場人物たちは、大都市で生活をしているにもかかわらず、内面は孤独や不安に苛まれています。しかしそれらの感情は、作者の優れた筆力によって深く描かれ、読者を引き込む力があります。
また、本作品には「色彩」がテーマとして取り上げられています。特に、青色に関する描写は印象的で、読者に強い印象を残すことでしょう。
私自身、本作品を読んで感じたのは、孤独や不安といった感情が、誰しもが抱えている普遍的なものであるということです。それを巧みに描き出した作者の才能に敬意を表します。
<石黒さんコメント>
現代の作家お二人のネタだったので、版元的に書籍への掲載は自重という感じだったので、納得のうえ、未掲載にしたネタなんですが、これ、けっこう好きだったので、ここで公開ということですっきり!(笑)。誰が見てもシャレとわかるはずだし。そして、ChatGPTがとてもうまく対比させるように出してきました。村上両巨頭がお互いをリスペクトし合っていて、しかもさすが大作家、的確な切込みのレビューとして仕上がってます。
続いてはこちら。
質問2
もしビッグモーターが植栽を推進したら
【ChatGPT回答】
【石黒さんコメント】
最高です! 話題の核心は何も語らないからこそ爆笑できる好例! こういうネタは質問が重要で、その時点で、あえて話題には触れずにおくことで、ChatGPTも美しいスルーを展開してくれ、品のある笑いが紡ぎ出されます。
最後に、こんなことを聞いた。
質問3
日大アメフト部の寮で植物を栽培するとしたら、 種類は何がよいでしょうか?
【ChatGPT回答】
【石黒さんコメント】
素晴らしい!……。この前の設定と考え方は同じで、言わぬが花。言われぬが花、そこにこみあがるおかしみ。狭いベランダとか部員が忙しいとかリアリティもあってたまらないです。「室内の空気を浄化する効果」「癒しの時間を得る」とかはもう、暗喩かよという……。ちなみに、似て非なる質問を最初にぶつけてみたら、そちらはうまくかわされてしまったんだけど、そのかわし方が味わい深いので最後にオマケ的に。これです。
回答できない質問や、あまり面白くない回答をすることがあるものの、予想を遥かに超えるものや、斜め上をいくものが出てきた時の面白さがたまらない。しかも質問と答えの傾向がつかめてくると、仕事でChatGPTを使うときに役立つスキルになるはず。
デスクワークで疲れたら、気分転換のツールとしてChatGPTを使って遊んでみてください。
「もしChatGPTが文豪や○○としてカップ焼きそばの作り方などを書いたら」
著/爺比亭茶斗・光文社
取材・文/渡辺雅史