ChatGPTで面白い回答が得られた質問をGoogleの生成AI「Bard」にもぶつけたところ、AIに個性のようなものがあることがうっすら見えてきた。ChatGPTにさまざまな無茶振りと言えるレベルの質問をぶつけた本「もしChatGPTが文豪や○○としてカップ焼きそばの作り方などを書いたら」に載っている質問をChatGPT、Bard、それぞれの個性を深掘りするために投げてみることにした。
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では、今回はこちらの質問から。
質問4
徳川家康がマッチングアプリの自己紹介文を書いたら
【ChatGPTの答え】
【Bardの答え】
徳川家康の自己紹介文:
「徳川家康と申します。三河国の岡崎城主の息子として生まれ、幼少期を人質として過ごすなど、波乱万丈の人生を送ってきました。しかし、忍耐と努力で天下を統一し、江戸幕府を開きました。
今は、天下を治めるという大きな役割を終え、余生を静かに過ごしています。そんな中、新たな出会いを求めてマッチングアプリを利用するようになりました。
趣味は茶道、書道、囲碁などです。また、歴史や哲学にも興味があります。
明るく前向きな方、穏やかで包容力のある方と出会いたいです。一緒に楽しい時間を過ごしましょう。」
【石黒さんコメント】
まずまずのを出してきましたが、6対4~7対3ぐらいの割合で、ChatGPTの勝ちですね。ディテールのちょっとした部分にリアリティ!?があるのと、言葉遣いのバカていねいさのおかしみで差がつきますね。
質問5
もし江戸幕府の討幕運動の作戦がLINEでやりとりされていたら
【ChatGPTの答え】
【Bardの答え】
• 長州藩の桂小五郎
「新政府樹立の計画が固まった。いよいよ、討幕の動きを始めよう。」
• 薩摩藩の西郷隆盛
「長州藩の協力を得て、朝廷から討幕の勅許を得ることに成功した。いよいよ、幕府を倒すことができるぞ。」
• 佐賀藩の坂本龍馬
「倒幕の成功には、各藩の連携が不可欠だ。薩長同盟を結んで、幕府を圧倒しよう。」
• 新撰組の土方歳三
「討幕勢力の勢力が強まる中、幕府も新撰組を結成して対抗する。幕府を守るために、力を尽くすぞ。」
【石黒さんコメント】
大量得点差で、ChatGPTの勝利! はっきり言って、Bard、つまらないです……。ChatGPTのおかしみとの最大の違いは「ライブ感」。つまり「やりとり」になってなく、たんに個別の発言(笑)。しかも、歴史的ネタを並べてるだけで、人間感がない。論外でした。
質問6
若乃花と貴乃花がLINEで仲直りしたら
【ChatGPTの答え】
【Bardの答え】
若乃花:貴乃花さん、お久しぶりです。
貴乃花:若乃花さん、もしかして?
若乃花:はい、そうです。僕です。
貴乃花:久しぶりだな。
若乃花:貴乃花さん、ご無沙汰しています。
貴乃花:若乃花さん、お元気ですか?
若乃花:はい、元気です。
貴乃花:それはよかった。
若乃花:貴乃花さん、あの時のこと、僕は本当に申し訳ありませんでした。
貴乃花:若乃花さん、もういいんです。
若乃花:貴乃花さん、僕は貴乃花さんのことを、ずっと弟だと思っていたし、これからも弟だと思っています。
貴乃花:若乃花さん、僕も若乃花さんを、ずっと兄だと思っていました。
若乃花:貴乃花さん、また一緒に相撲をとりませんか?
貴乃花:若乃花さん、もちろんです。
若乃花:貴乃花さん、ありがとう。
貴乃花:若乃花さん、こちらこそ。
若乃花:では、また。
貴乃花:またね。
【石黒さんコメント】
これ、Bard最高、の圧勝です! 設定が面白ければいいという出オチパターンなので、ChatGPTでじゅうぶん面白かったけど、Bardが、途中相手を慮ったり、盛り上げたりしつつ、最後グッと来るヒューマンドラマ短編のようでした。お見事。
提案した回答の根拠も示してくるBard。こちらの求めている面白さとイメージが乖離している場合でも、この根拠が言い訳っぽくなって面白くなる可能性がありました。
次回は『もしChatGPTが文豪や○○としてカップ焼きそばの作り方などを書いたら』の本に収録できなかった、新しめの話題を入れ込んだ質問をChatGPTにぶつけます。
「もしChatGPTが文豪や○○としてカップ焼きそばの作り方などを書いたら」
著/爺比亭茶斗・光文社
つづく
取材・文/渡辺雅史