人付き合いの中でいつの間にかAさんとBさんの意見が対立して、いつの間にか板挟みになっていた。そんなストレスを抱えている人も多いのではないでしょうか。
特に職場などではどちらかの意見を尊重すると角が立ってしまうと、余計に気を遣うことになってしまうもの。
本記事では、板挟みになりやすい人の特徴と、対処法として考え方を変えるコツをお伝えします。
板挟みになりやすい人の特徴4選
板挟みとは、2つの対立した意見や立場の間で翻弄され、どっちつかずになってしまうことを言います。職場など、多くの人と関わる場にいれば、どちらかの意見に加担することは人間関係の悪化につながる可能性もあり、結論を出せない人も多いでしょう。ここでは板挟みになりやすい人の特徴に触れていきます。
1.他人から嫌われたくない
板挟みになりやすい人の特徴の1つとして、他人から嫌われたくないという強い思いを持っていることがあげられます。
どちらか一方の意見に加担してしまって、もう一方の人から嫌われたくないのです。なので、どちらからも嫌われない状況、つまりどっちつかずの態度になってしまい、結果板挟みの状態に陥ります。
2.自己評価が低い
「片方の意見に賛同したいけれどそれを伝える自信がない」、「どちらの意見もわかる」という考えがある人は、自己評価が低い可能性があります。
自己評価が低い人は、自分の意見に自信が持てません。なので、他人の意見に左右されやすく、どちらにもいい顔をして板挟み状態になります。
自分の意見がない分、意見を求められたときにはどっちつかずの回答になってしまい、相手からは八方美人に見られてしまうこともあります。
3.自分よりも他人を優先している
前述した自己評価が低い人と共通している部分も多いですが、何においても自分よりも他人を優先しがちな人も板挟みになりやすいタイプと言えるでしょう。
このタイプの人は、他人からの評価がなければ自分には価値がないという思い込みが心の奥にあります。優先するべきは、自分の意見より、他人が評価する自分なのです。
この思い込みがあると、普段から自分の意見を伝えるという考えがありません。他人の意見が自分の意見になってしまっているからです。他人の意見に同調するばかりなので、その結果が板挟み状態になりやすくなります。
4.自意識過剰気味
1~3の特徴とはまったく異なるものの板挟みになりやすいのが、自意識過剰気味の人です。
双方から意見を求められた場合に、「ここで自分がこの意見を伝えるとこちらに決まってしまう」などと、自分の意見が結果を左右してしまうと思い込んで、意見を伝えられないという状況を自ら作ります。その状況が板挟みという状態を生み出します。相手は1つの意見として聞いているだけに過ぎない可能性だってあるのに、です。
仕事でよほどの地位がある以外は、相手は味方を1人増やしたいに過ぎません。
板挟みになりやすい人がストレスを抱えない考え方のコツ
板挟みになりやすい人は、どちらかに加担することに罪悪感を持ってしまう人も多いでしょう。この罪悪感、実は持つ必要がないものなのです。ここでは、その罪悪感というストレスを抱えない考え方のコツをご紹介します。
1.他人よりも自分の意見を優先する
特徴でもご紹介しましたが、まず他人よりも自分の意見を最優先するクセをつけることが大切です。
AさんやBさんの意見ではなく、目を向けるのは自分の意見です。その自分の意見がAさんと同じであれば、「Aさんの意見に賛成です」ではなく、「私はこう思います」とAさんの意見を自分の意見を付け加えて伝えてみてください。
伝えるときには、主語は“私は”というクセをつけていきましょう。主語を私にするだけですが、周囲からは片方に同調したというよりも自分の意見を伝えたというふうに映りやすくなります。
2.八方美人ではなく中立を意識する
板挟みになってしまったとき、どちらの意見にも同調してしまっていたということが多くあります。これでは周囲から八方美人に見えて、反感を買ってしまう可能性もあります。
そうならないためには、八方美人ではなく、中立という立場を意識してください。
中立とは、どちらの味方、敵対もしないことを指します。意見が割れている双方の間に入るのではなく、第三者の立場を貫きましょう。第三者という立場であれば、どちらかの味方になるのではなく、客観的に自分の意見を伝えやすくなりませんか。この中立を意識するだけで板挟みのストレスを軽減することができます。
3.みんなから好かれたいという考えを捨てる
他人から嫌われたくない、自分よりも他人を優先してしまう人が持っている思考のクセ、「みんなから好かれたい」という思い込みは捨てましょう。これを捨てることで、自分の意見を伝えやすくなり、板挟みという状況を脱却することができます。
まず、考えてもらいたいのが、みんなから好かれることは不可能だということです。例えば、どんなに好感度の高い人でも、その周知されている人柄の良さを斜めに捉えて、その人のことが嫌いだという人は必ずいます。極端な例ですが、みんなが好きな料理としてあげることが多いカレーでさえ、嫌いという人はいるのです。
自分が好きという人に嫌われるのは悲しいことですが、好きでも嫌いでもない人から嫌われることがそんなに嫌でしょうか。好きな人から嫌われることのダメージを数字に表すとそれが10なら、なんとも思っていない人から嫌われるのは2、3ぐらいではないでしょうか。そのぐらいのダメージ、気にする必要はありません。嫌われる可能性がある人を気にするのではなく、自分が好きな人に目を向けるほうが心を穏やかに保つことができます。
文・構成/藤野綾子