パンケーキ症候群の予防対策
パンケーキ症候群の何よりの予防は「賞味期限に関係なく開封後できるだけ早く使い切ること」です。
ダニがミックス粉などの中で繁殖するには少なくとも数週間かかるため、賞味期限に関わらず1ヶ月以内には使い切ることが推奨されています。現に粉を長期保存することがなく仕入後すぐに使いきってしまうような外食産業では、パンケーキ症候群が発生するケースはほとんどないのだそう。
とはいえ、パンケーキやお好み焼きを1度にそんなに食べきれないという人も多いでしょう。以下に、家庭ですぐに実践できるパンケーキ症候群の予防対策をまとめたのでぜひ実践してみてください。
【すぐできるパンケーキ症候群の予防対策】
・ 調理中、必要な分の粉を計量し終わったたらすぐに製品の蓋を密閉するか、ジップロックなどの密閉容器に入れる
・1度開封した粉製品は常温保管せず、密閉容器ごと冷蔵庫や冷凍庫で保管する
・古くなった粉製品は賞味期限内であっても口にしない
粉製品に生息するダニは高温・多湿の環境を好みます。夏場やまだ気温が高い秋口は特に出しっぱなしを避け、調理中でも使い終えたらできるだけ速やかにしまうようにしましょう。
1度開封した粉製品は、例えジップロックやタッパーなどに入れていても常温保存は避けた方が安心です。ダニの種類にもよりますが体長はおよそ0.2~1mm程度と非常に小さいため、ほんのわずかな隙間からでも侵入する恐れがあるためです。
気温が低いところではダニの活動が鈍くなり繁殖できなくなるため、開封後の粉製品は冷蔵庫、または冷凍庫に入れて保管することを習慣にしましょう。
万が一のパンケーキ症候群を予防するためには、開封後1ヶ月以上常温で保管していた粉製品は口にするのを控えた方が懸命です。とはいえ大量に余ったミックス粉などを廃棄してしまうのはもったいないので、できるだけ食品ロスが出ないよう、そもそも繁殖させない対策をとるのがおすすめです。
ミックス粉や粉製品は正しく保存してパンケーキ症候群を予防しよう
パンケーキやお好み焼きを食べた時に起こるパンケーキ症候群についてご紹介しました。
ちなみにパンケーキなどのミックス粉に繁殖することが多いコナヒョウダニの体長は0.4mm前後で、粉製品の他、ハウスダストや寝具、ラグなどにも生息しているといわれる比較的ポピュラーなダニです。アレルギー性鼻炎やアトピー性皮膚炎などの原因としても知られています。
そんなダニがまさか食品の中に大量に混入しているとはあまり考えたくないですが、もし確かめる場合は、黒っぽい色のついたお皿の上に粉を広げてみると肉眼でも確認しやすいといいます。念のため筆者も自宅にあった粉製品をチェックしてみたところ、動いているものは見つからなかったのでほっとしました。
ダニの温床にさせないためにも、粉製品は正しい方法で保管して、パンケーキ症候群の発症を未然に防ぎましょう。
監修/きたにし耳鼻咽喉科 院長 北西 剛
主な著書
『耳鼻咽喉科医だからわかる意外な病気、治せる病気』(現代書林)/『もうくり返さない!副鼻腔炎・アレルギー性鼻炎を一気に治す!』(TJ MOOK 宝島社)/『難聴・耳鳴り・めまい「治る」には理由(わけ)がある』(ルネッサンス・アイ)/『もう悩まない!副鼻腔炎・花粉症を薬に頼らず治す!』(TJ MOOK 宝島社)
きたにし耳鼻咽喉科
所在地:〒570-0004 大阪府守口市淀江町3-7 メディトピア守口2F
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文/黒岩ヨシコ
編集/inox.